中国北京市海淀区検察院は、IT大手テンセントを相手取る公益訴訟を呼びかける(GREG BAKER/AFP via Getty Images)

北京市検察当局、テンセント子会社への訴訟呼びかける IT企業への締め付け強化か

中国北京市海淀区検察当局は6日、IT大手テンセント(騰訊控股)が「未成年者の合法的権益を侵害した」として、公益訴訟を起こす団体があれば支持すると表明した。中国当局はIT企業への締め付けをさらに強めている。

海淀区人民検察院が発表した声明は、テンセントが手掛けるSNSアプリの微信(WeChat、ウィーチャット)関連製品「青少年モード」は、中国の「未成年保護法」に違反したとして、テンセントを相手取って民事公益訴訟を起こすとした。同声明は、公益訴訟を起こす計画のある機関や団体に対して、30日内に申し出るよう呼びかけた。30日後に訴訟を起こす団体がなければ、海淀区人民検察院が提訴することが可能になる。

「青少年モード」とは、未成年者のインターネット上での有害コンテンツを排除し、使用時間の制限などでネット依存症を防ぐために設けられた機能である。中国当局は今年6月1日、「未成年者保護法」の改正に伴い、国内の各ネットプラットフォームやアプリに「青少年モード」を備えることを義務付けた。

いっぽう、海淀区検察当局は、テンセントがどのように未成年者の権益を侵害したかについて説明しなかった。

ウィーチャットの運営会社である広東省深セン市の騰訊計算機系統有限公司は6日夜、「青少年モード」機能を「自己検証」し、ユーザーの提案を謙虚に受け入れ、「民事公益訴訟に誠実に対応していく」との声明を発表した。

中国当局は昨年以降、独占禁止法違反やデータ保護などを理由に、国内IT大手のテンセントやアリババ集団などに対して取り締まりを強化した。

今月3日、中国国営新華社傘下の「経済参考報」は、テンセントのオンラインゲーム「王者栄耀」などを「精神的アヘンだ」と批判した。同日の香港株式市場で、テンセントの株価は前日終値比で一時10%急落した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
湖南省株洲市の湘江で、ウイルスサンプル収集用試験管が大量に発見され、住民たちは感染リスクに怯えています。当局は「未使用で損傷はなく、ウイルスは検出されなかった」と発表しましたが、専門家や市民の間で疑問の声が広がっています。試験管の正体や流出の経緯について調査が進む中、不安は収まりません。病院も研究所を信用できないのは間違いない。中国ではコロナが収束していないというのは、こういうことなのか?
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
ニセモノ摘発も命がけ、道徳低下した中国社会。中国福建省の展示会で、偽商品の摘発を目的とするインフルエンサーが暴行を受ける事件が発生しました。「福建鉄鉄」のカメラマンが問題商品を通報したことがきっかけで、出品者らから集団暴行を受けたとされています。この事件は、中国SNSやメディアで大きな注目を集めており、現在、市場管理局と公安当局が調査を進めています。偽商品撲滅の活動が招いた事件の経緯とその背景に迫ります。
19日、中国江蘇省連雲港市にある国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」の正門前で、ある女性が滞納された給料の支払いを求めて会社管理者の足に抱きつき泣き叫ぶ姿が撮影されました。この動画はSNSを通じて拡散され、多くの人々に衝撃を与えています。女性の訴えに耳を貸さない企業の対応と、中国社会で頻発する同様の問題に、ネット上では悲しみと怒りの声が相次いでいます。「惨め過ぎる」労働者の姿。官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」中国のリアル。経営者が人間なのか? 人間であれば、会社をつぶす決意をして、会社財産を売って、給料を支払うはずだが。
湖北省武漢市で、配達食注文に対するクレームが原因で、配達員がナイフを持って客の家に押し入ろうとする衝撃的な事件が発生した。監視カメラには、ドアを内側から押さえる家主と、外でナイフを振り上げながら脅す配達員の姿が記録されている。この事件をめぐり、SNSでは中国社会のストレスや労働環境への懸念が噴出。「極限状態にある人々の行動は予測不能」といった声も広がっている。 至るところに「火薬庫」の中国、言動を慎まないと、いつどこで殺されるかわからない。