英最大半導体企業買収の中国企業、株主にリスク警告 トラブル発生の見方も
オランダの子会社を経由で英半導体受託製造最大手、ニューポート・ウエハー・ファブ(NWF)を買収した中国企業はこのほど、株主に対して同買収案のリスクを警告した。同買収案は現在、英政府の調査を受けているため、なんらかのトラブルが生じたとの見方が出ている。
英最大の半導体ファウンドリー企業、ニューポート・ウエハー・ファブ(Newport Wafer Fab,NWF)は7月初旬に、中国聞泰科技(ウィングテック)傘下のオランダ半導体メーカー、ネクスペリア(Nexperia)によって買収された。しかし、同取引は疑問視され、国家安全保障上の理由で英政府による調査を受けている。
NWFを買収したネクスペリアの親会社であるウィングテック社は16日、株主に対して「NWF社は今後の運営過程において、国内外の政策や経済環境などによる影響を受ける可能性がある」と投資者にリスクを警告した。
これを受け、米ニュース専門放送局CNBCは、この発表から、同買収案に何らかのトラブルが発生した可能性があると推測した。
同買収案に関しては現在、英国家安全保障担当補佐官のスティーブン・ラブグローブ卿が調査中であり、結論は数日中に発表される予定となっている。
英当局は以前、買収案が白紙撤回になる可能性は排除できないと述べていた。
英サウスウェールズ州ニューポートにあるNWFは、従業員約400人を抱え、週に8000枚のウエハーを生産する英最大の半導体チップメーカーの1つである。
英政府がこの買収の撤回を決定した場合、チップ業界の老舗、イマジネーション・テクノロジーズのロン・ブラック元最高経営責任者(CEO)は、NWFの買い戻しに意欲を見せている。
中国は半導体チップ技術において他国に大幅の遅れをとっているため、外国半導体メーカーの買収、政府系投資ファンドを通じて同業界の活性化を目指している。
NWF社の100%の株式を間接的に保有するウィングテック社は中国大手通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)の仕入先でもある。
(翻訳編集・李凌)