米記者団体、中国人市民11人の釈放呼びかける 昨年大紀元に情報提供
ジャーナリストの権利を保護し、各国の言論弾圧を監視する米NPO団体、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)は24日に声明を公表し、中国当局に対して、中国国内の中共ウイルス(新型コロナ)感染拡大の情報を大紀元時報に提供した中国人市民11人を直ちに釈放するよう求めた。
声明によると、北京市東城区検察院は4月25日、北京市政府の感染拡大防止措置に関する情報や写真を大紀元時報に送ったとして、市民11人を起訴した。
11人は全員、伝統気功グループ、法輪功の学習者である。法輪功は「真・善・忍」に基づく修煉法だ。しかし、中国当局は1999年7月に法輪功学習者に対して弾圧を始めた。
CPJは最高人民検察院の話として、市民11人が有罪判決を受けた場合、終身刑を言い渡される可能性があるとした。
同団体のアジア・プログラム・コーディネーターを務めるスティーブン・バトラー氏は声明で、「中国当局は、市民がパンデミックで封鎖された町の状況を報道し、写真を公開することを妨げるべきではない」と述べ、「11人への訴えを取り下げ、彼らを直ちに釈放すべきだ」とした。
東城区看守所に拘禁されている11人は、許那、李宗澤、鄭玉傑、李立新、鄭艶梅、鄧晶晶、張仁飛、劉強、孟青霞、李家軒、焦夢嬌の各氏。
昨年7月19日、北京市警察当局は突然、11人を逮捕した。検察側は「カルトを利用して法執行を妨害した罪」で起訴した。
大紀元時報はCPJに対して、「市民である」11人から写真や情報を受け取ったと示し、11人の身の安全を「非常に心配している」とした。
許那氏の弁護士である謝燕益氏は23日、北京市司法・警察などを所管する市政法委員会の書記に宛てた書簡を公開した。
書簡は、「許那氏らが逮捕され起訴された原因は、感染拡大の実態を反映する写真を公開したことと、法輪功の学習者であることにある」と批判した。また、「(市政府内の)一部の幹部は、この2つを結び付け、事件を政治化しようとして刑法300条を悪用している」とした。刑法300条とは「カルト教を利用して法執行を妨害する罪」で、当局が法輪功学習者への取り締まりで常用する罪名である。
写真は、中国国内の感染拡大が最も深刻だった昨年2~6月までに撮影したものだという。
謝弁護士は、市民が撮影した写真をネット上で公開することは現代社会の日常生活の一部だけでなく、中国の憲法にも認められている合法的行為だと強調した。北京市警察当局と検察当局は「公然と憲法に違反し、言論の自由と報道の自由を抑圧した」と非難した。
謝弁護士は、中国当局が法輪功学習者に対して弾圧政策を実施したことには「法的根拠がない」と強調し、「この迫害運動は実に反国家的で、反社会的で反人道的だ」とした。
また、謝弁護士は24日、大紀元時報の取材に対して、北京市地裁の裁判官から公判中に複数回、許那氏への弁護をやめるよう妨害を受けたと話した。
「中国当局は、人々が真実を話すことを恐れている」と謝氏は語った。
(翻訳編集・張哲)