中国共産党の習近平総書記(NICOLAS ASFOURI/AFP via Getty Images)

中国当局、年収850万円以上世帯は「高所得層」「中間層へのニラ刈り」との声

中国官製メディアはこのほど、習近平政権が推進する「富の再分配」をめぐって、高所得層の判断基準を示唆した。年収50万元(約851万円)以上の世帯の収入は、増税などで「調整される」と示した。

習近平国家出席は8月17日、「共同富裕」を実現するために「富の再分配」を行うと明言し、高所得層の「過大な所得を合理的に調整する」などと発言した。

中国共産党機関紙・人民日報傘下の雑誌「中国経済週刊」は8月31日、国家統計局の寧吉喆局長の話として、年収50万元以上の世帯は「高収入世帯」と認識してもよいと報じた。また報道は、他の学者の意見として、住む町の平均所得の3倍以上の収入を得ている世帯も高収入世帯だとした。

中国版ツイッター、微博(ウェイボー)では、年収50万元の世帯は高所得層であるという当局の認識について議論が繰り広げられた。

「50万元は高所得層。これは中間層をやっつけるシグナルだ」

「結局、中間層を対象にするニラ刈り(搾取)だ」

「この基準では、中国の人口の約半分、数億人が調整の対象になるのでは」などと意見を交わした。

大紀元コメンテーターの唐靖遠氏は8月下旬、「当局は共同富裕を掲げて、強制的な手段で貧富の格差を解消したい。しかし、対象はあくまで『高所得層』であり、『高資産』と呼ばれる大資産家ではない。したがって、中国の中間層は調整の対象になる可能性が大きい」と指摘した。

また、コメンテーターの秦鵬氏は1日、「北京市や上海市などの大都市では、住宅価格や物価の高騰などで、年収50万元であっても、決してゆとりのある暮らしはできない」とした。

(翻訳編集・張哲)

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