補助金受けた外国企業による買収、米議員が情報開示求める法案準備 中国を念頭に
米議員は現在、外国政府から補助金を受けている企業が米規制当局の審査を受ける大規模な企業買収(M&A)を行う際、その情報開示を義務付ける法案を準備している。法案が可決されれば、中国企業による米国での企業買収に大きな影響を与えるとみられる。米CNBCが5日報じた。
「外国政府補助による企業買収を阻止するための法案」(仮)と題する同法案はスコット・フィッツジェラルド米共和党下院議員が発議者となっている。
同法案は、国有企業の支援を受けている企業が9200万ドル(約101億円)を超える取引を行う際、規制当局にその支援内容を通知することを義務付けている。
この法案を支持する連邦取引委員会(FTC)のノア・ジョシュア・フィリップス委員は1日、CNBCとのインタビューで、「これらの追加情報は規制当局が買収を行った後の企業の行動を評価するのに役立つ」と指摘した。
「私たちは基本的に企業の利益の最大化というコンセプトに基づいて働いているが、一部の国有企業は必ずしも利益を追求することを動機としていない」とフィリップス氏は述べた。さらに、「利益よりも特定の政治的目標を優先する一部の企業のやり方は、通常のものとは異なる可能性がある」と指摘した。
同法案は、米中経済・安全保障問題検討委員会(USCC)による昨年の提案に基づいて制定された。同委員会は、議会への年次報告書の中で、連邦取引委員会(FTC)に対して、企業買収が外国政府の支援によってどのような影響を受けるかを判断するシステムを導入するよう提言した。
USCCはまた、同報告の中で、「中国政府は国内のトップ企業の米国進出を後押しし、最終的にはグローバル市場のリーダーに取って代われるよう支援している」と述べた。
「中国政府は各種規制を通じて、中国企業に有利な競争環境を作った。米国の労働者や企業が、どれほど革新的かつ効率的であっても競争できない」と中国の歪んだ貿易慣行を批判した。
「米企業が中国市場への参入を許可される場合、その見返りとして、貴重な知的財産権を中国企業に譲渡することになる」と指摘した。
「この法案が可決されれば、企業買収に大きな影響を与えるだろう」と米スタンフォード大学のダグラス・メラメド(Douglas Melamed)教授は指摘した。
(翻訳編集・李凌)