新疆ウイグル自治区で綿花の収穫を行う女性、2005年撮影(Guang Niu/Getty Images)

ドイツ人権団体、小売り企業5社を告発 「新疆での強制労働から利益を得た」

欧州の人権団体は6日、大手小売り企業5社が利益のために、中国当局のウイグル人住民に対する強制労働に関与したとし、ドイツ検察当局に刑事告発した。

ドイツを拠点とする非営利機関「欧州憲法人権センター(ECCHR)」は、複数のファッション小売企業が新疆の綿産業における強制労働を助長し、莫大な利益を得たと批判した。

告発された企業は、ファッションブランドのヒューゴボス(Hugo Boss)、欧州大手アパレルチェーンのC&A、ディスカウントストアのリドル(Lidl)、アルディノード(Aldi Nord)、アルディズード(Aldi Sud)だ。

96ページに及ぶ訴状の中で、ECCHRのミリアム・サーゲマース(Miriam Saage-Maass)副法務部長は、「欧州の政府は人権侵害を巡り中国を批判する一方で、欧州企業がウイグル人から搾取して利益を得ている可能性があり、容認できない」「強制労働の疑いが確認された場合、これらの企業は責任を負うべきだ」と述べている。

同団体は、これらの企業は「人道に対する罪に関与した疑いがある」としている。

欧米各国の多くの政府は、中国当局がウイグル人住民らを収容施設に拘禁し、過酷な労働を強いて迫害していると非難している。しかし、中国政府は一貫して否定している。

ECCHRは、この5社が「公開した」情報を基に独自の調査を行った上で、告発を決めたと示した。

リドル社などはそれぞれ声明を発表し、ECCHRの指摘を否定したうえ、強制労働などに対して不寛容の方針を採っていると強調した。

今年になってから、欧州連合(EU)や米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの欧米諸国は、新疆の人権侵害問題を巡り、中国当局への非難を強め、中国当局者に対して制裁措置を講じた。

ロイター通信6日付によると、国連はこのほど調査報告書を引用して、新疆の収容施設では、ウイグル族を含む少数民族住民100万人以上が強制労働させられていると批判した。

報道によると、フランス検察当局は7月、新疆で中国当局による人権侵害に関わったとして、同国のファッション小売り企業4社を捜査し始めた。日本発ファッションブランド「ユニクロ」のフランス法人も捜査の対象となった。

(翻訳編集・李凌)

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