佐藤正久議員、「台湾海峡を核の傘に置くべき」と提案 台湾有事巡り
中国当局による台湾侵攻の危機が間近に迫っているとの予測が強まるなか、自民党の佐藤正久・外交部会長は8日、日米は台湾防衛の協力枠組みの構築を急ぎ、台湾を日米安保条約に基づき「拡大核抑止(核の傘)」の下に置くべきだとの考えを示した。同氏は、2022~27年までは最も「大事な時期」だと指摘した。
台湾シンクタンク、国策研究院は8日、「台日2+2対話および台日中の3カ国関係」に関する座談会を開催した。佐藤正久参議院議員と中山泰秀防衛副大臣は、オンライン形式で参加した。
佐藤議員は、日米の防衛がなければ台湾は中国の軍事行動に抵抗できないと、日本の一部の議員の認識を紹介。
議員は会議で、地政学的に南シナ海、台湾海峡、日本は互いに影響し合っており、それぞれが地域の平和と安定を守る必要があると強調した。議員は、日本も台湾も自国の防衛力を高めなければならないと述べた。「自己防衛の意志を示せば、米国の台湾海峡への介入を後押しすることができる」。
議員は、中国当局は台湾侵攻を企んでおり、「2022~27年までは最も重要な時期で」、台湾への軍事的圧力を今後さらに強化するとの見方を示した。
議員は、中国当局が台湾を軍事攻撃する際、日米の兵力を分散させるため、北朝鮮を操って何らかのトラブルを起こす可能性があると懸念した。また、台湾有事の隙に乗じて、ロシア側も日ロが領有権を主張する北方領土での実効支配をさらに強化する可能性もあるという。
佐藤氏は、日本と台湾、米国は東南アジア諸国連合(ASEAN)や韓国、欧州を巻き込みながら対抗していく必要があると述べた。
議員は、台湾が中国当局によって封鎖されれば、台湾海峡やバシー海峡を通る日本と韓国の原油海上輸送路が中断され、日本経済は大打撃を受けると述べた。
佐藤議員は、中国当局の様々な挑発行為に対して、台湾海峡を「核の傘」の下に置けるよう米国がその環境を作らなければ、中国当局を抑えられないとの考えを示し、日台の与党はこの件に関して協力を深めるべきだと提案した。
いっぽう、中山泰秀防衛副大臣は、台湾と日本は「目と鼻」のように近く、台湾の平和と安定は「他人事ではない」と述べた。
中山副大臣は、台湾問題は現在一触即発という危機的な状況にあり、米軍は軍事力をアジア太平洋地域に集中させるべきだと指摘。
副大臣は、日本政府はソーシャルメディアやインターネットを利用した(中国当局などの)浸透工作の広がりを認識していると明らかにした。日本と台湾はサイバーセキュリティに関しても協力関係を築く必要があるとした。
(翻訳編集・張哲)