ケネディスペースセンター・ビジターセンターのロケットガーデンには、アメリカの9.11国旗が掲げられている。(NASA/Kim Shiflett)

【写真】やがて火星に建つ慰霊碑に… NASA、探査機にツインタワーの一部使用

20年前の9月11日、米国史上最大のテロ事件が発生し、短い時間に約3000人が命を落とした。同日、米国航空宇宙局(NASA)は当時のニューヨーク・マンハッタンの衛星写真や、その年に打ち上げられたスペースシャトル「エンデバー」の活動など、事件にまつわる複数枚の写真を公開した。

ハイジャックされた飛行機2機がニューヨークの世界貿易センタービルに衝突した後、マンハッタン地区の煙が上がった。その様子が宇宙から確認できる。煙はニューヨーク市とニュージャージー州まで到達した。(NASA)

「2001年9月11日に起きた同時多発テロは、多くの人の命を奪い、米国の文化に大きな変化をもたらした国難だ。毎年事件を振り返る。決して忘れない」。NASAは事件20周年に合わせて、コメントを発表した。

NASAは事件発生の直後、連邦緊急事態管理庁(FEMA)と協力して、被災地の上空に飛行センサーを設置し、空気中の汚染物質を探すなどして事件をめぐる情報を提供した。

ニューヨークで痛ましいテロ事件が発生した当時、国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗していた米国人宇宙飛行士フランク・カルバートソン氏は、空から見た事件のことを語った。「当時は何が起こっているのかわからなかった。マンハッタンを大きな煙が覆っている…悪いことが起きているとは思った」。

2001年9月11日、カルバートソン氏は地球からの朝の通信で「フランク、地球は全く良くない日を迎えたよ」との言葉を受け取ったという。

国際宇宙ステーションがニューヨークの上空を通過したとき、カルバートソン氏はツインタワーから噴き出す黒煙と炎を撮影した。

 

NASAは同年冬に打ち上げられたスペースシャトル・エンデバーのフライトに、小さな国旗約6000枚を宇宙の旅に連れ出した。9月11日の犠牲者を追悼するためのものだ。この国旗は、2002年夏に事件の被害者の親族に贈られた。

 2001年12月、スペースシャトル、エンデバーと国際宇宙ステーション(ISS)で行われたミッションSTS-108のマーク・ケリー宇宙飛行士(左)とダン・タニ宇宙飛行士。米国国旗を宇宙に運んだ。旗はその後、9.11犠牲者の親族に贈呈された。(NASA/JPL-Caltech/Cornell University/Arizona State University)

NASAは、犠牲者への想いとともに、宇宙事業を展開している。実は、破壊された世界貿易センタービルの一部が、火星探査機のマーズ・エクスプロレーション・ローバー(MER-A)とオポチュニティ(MER-B)の岩石破砕ツールのケーブルシールドに使用されていることは、あまり知られていない。その再利用部品には、米国旗が印刷されている。

「いつの日か2つのローバーとも機能しなくなるだろう。火星は気温が低い(訳註・平均マイナス64度)。9月11日同時多発テロの犠牲者を悼む慰霊碑として、何百万年も良い状態を保つことができるかもしれない」と NASAは書いている。

2001年9月11日に世界貿易センターが破壊された直後、現場から回収された金属の一部が探査機に使用されている。2011年9月11日撮影。(NASA/JPL-Caltech/Cornell University/Arizona State University)

(大紀元日本語編集部)

関連記事
アメリカの漁師が、色鮮やかで極めて珍しい巨大なヒトデを捕獲した。このヒトデは、絶滅危惧種とされているヒマワリヒトデだった 
中国共産党の西側への浸透工作が注目されている。EVバッテリー工場Gotion Inc.の中国親会社は、従業員が中国共産党への忠誠を誓う様子を示す報告と動画を出した。米国の各界から、同社と中国共産党との関係の調査が求められている。
ジム・リッシュ米国上院議員はikTokは洗脳マシンのようにできている、青少年を引きつけ影響している、数百万人の米国人の健康、安全、プライバシーにとって長期的に最も大きな脅威を引き起こす可能性があると指摘。
ワグネル傭兵団のリーダーであるエフゲニー・プリゴジン氏は23日、ロシア軍トップのワレリー・ゲラシモフ将軍がウク […]
平均的に、米国人は自分のスマホに40のアプリを入れている。その中には便利なものもある。しかし、新しいレポートによると、多くのアプリは、表向きは便利なものであっても、人々のプライバシーにとって危険である。アプリは個人データを収集し、その結果を第三者と共有する。多くの場合、私たちの知識や同意なしにそれが行われている。