北海道大学など マダニが媒介する新種「エゾウイルス」を発見
北海道大学などの研究グループは、マダニが媒介する新たなウイルス感染症「エゾウイルス」を発見したと発表した。
北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の松野啓太氏らはマダニに刺されて発熱や筋肉痛などの症状が現れた2人の患者を調べた結果、新種のウイルスを発見し、「エゾウイルス」と命名した。
エゾウイルスに感染すると、数日から2週間のあいだに発熱や食欲不振が始まり、血小板や白血球の減少などの症状が出るという。2014 年から 2020 年までの 7 年間で少なくとも 7 人の感染が確認されているが、今のところ死亡例は確認されていない。
道内で採集されたマダニやエゾシカなどの野生動物からもエゾウイルスが確認されていることから、北海道内に定着していると示唆した。
研究グループは今後の調査でエゾウイルスの全国的な分布状況や患者発生動向を調べていく予定だ。
北海道大学大学院獣医学研究院と人獣共通感染症国際共同研究所は共同でワンヘルスリサーチセンターを設立し、今回発見したエゾウイルス熱のような未知の疾患の原因探索をヒト・動物の垣根なく受け入れる体制を構築していくとした。
この研究は、自然科学を取り扱う学術誌ネイチャー・コミュニケーションズに9月20日、掲載された。
(山中蓮夏)
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