世銀、先進国に1000億ドル拠出求める 低所得国の発展後戻りに対処
[ワシントン 11日 ロイター] – 世界銀行のマルパス総裁は11日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で低所得国の発展が後戻りしたことに対処するため、最貧国向けの融資を手掛ける国際開発協会(IDA)に対する1000億ドルの資金拠出を先進国に求める考えを示した。
世銀は世界経済が今年5.7%、来年は4.4%成長すると予想しているが、マルパス氏は「根強いサプライチェーン(供給網)のボトルネックや新型コロナ感染拡大の中、高頻度のデータでは世界的な活動の減速が示されている」とした上で、「ワクチン接種率上昇の遅れやインフレ、限られた政策支援、過度に少ない雇用機会、食料、水、電力に及ぶ供給不足を背景に、大半の途上国にとって見通しは厳しい」と述べた。
また、不均衡は急速に拡大しており、先進国の1人当たり所得が今年、5%近く増加するとみられているのに対し、低所得国ではわずか0.5%の伸びにとどまる見通しと指摘。
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