( kiki / PIXTA)

古代の忠実な執事の物語

古代、人々の間では道徳的な高潔さが重要視されており、人々の心に響くような強い忠誠心や正義感を表した物語が数多く残っています。 

明の時代に、淳安県(現在の浙江省杭州市付近)でとても裕福だった徐氏という一家が住んでいました。その徐氏の家に、幼い頃から下働きとして働いていた阿寄という者がおり、家主は彼に親切に扱い、阿寄はとても感謝し、何十年も徐氏一家に仕えていました。 

徐氏には3人の息子がいましたが、長男と次男は遊ぶことしか知らず、三男だけは一生懸命に働き、家族の面倒を見ていました。 

▶ 続きを読む
関連記事
千年の歴史を支えてきた宣紙。過酷な水火や鍛錬を経て生まれる一枚の紙が、いかにして筆墨を受け止め、文脈を後世へ紡ぐのか。無言の紙漉き工程から天地の理や生命の在り方を読み解く、静謐で深い思索に満ちた一編
傷口から芳香を生む沈香や、火を経て形を捨て清気となるお香の姿を通し、苦難を乗り越える心の転化と生命の深遠なあり方を静かに説くエッセイ。俗世の喧騒を離れ、心を澄ませて高遠な境地へ向かう道を示す
中国の伝統的な職人精神を紐解く一編。宋代の茶碗や古琴など身近な器物に宿る美を通し、単なる技術や派手さを超えた「敬」と「静」、天人合一の思想を描く。日常の道具に心を込め、精神を高める美学に迫る
大英博物館で公開された名画『女史箴図』。単なる女性への戒めではなく、天地の理や人倫の調和、そして愛や情を永く保つための「節度」と「内面の美」を描いた本作から、現代の家庭にも通じる真の生き方を読み解く
遣唐使や鑑真を通じた受容から現代の職人技、渋沢栄一の思想まで、千年の時を超えて日本に根づき継承された中華文明の足跡を辿る。文化が他民族の生活や精神に宿り、今なお響き合う理由を静かに解き明かした論考