あなたが不健康な飲食をすると、その負担は全てあなたの肝臓に来ます。
あなたの肝臓は、いつの間にか脂肪肝になっているかも知れません。放っておくと肝硬変や肝臓がんになることもあります。あなたの肝臓を健康な状態に戻す「7つの食物」をご紹介します。

第一歩は「禁酒」と「肥満防止」

脂肪肝は大きく2種類に分けられます。1つは飲酒による「アルコール性脂肪肝」で、長期飲酒者のうち約90%は脂肪肝の問題があると言われています。

もう1つのグループは「非アルコール性脂肪肝」と呼ばれ、過食によってカロリーを取りすぎたため、そのカロリーが脂肪に変換されて肝臓に蓄積したものです。

脂肪肝は健診で発見されることが多く、症状が目立たないため気にしない人が多いのが実情です。単純な脂肪肝であれば改善のチャンスがまだありますが、このまま放置すれば、「肝炎、肝硬変、肝臓がん」という「肝臓病三部作」に至る可能性が出てきます。

アルコール性脂肪肝の患者に必要な第一歩は、もちろん「禁酒」です。

非アルコール性脂肪肝の患者には、その「原料」となる高カロリー、高糖質の食事を制限することから始めなければなりません。

 

脂肪肝には、飲酒によって引き起こされる「アルコール性脂肪肝」が含まれます。長期のアルコール依存症者の約90%が脂肪肝の問題を抱えています。(Shutterstock)

小学校4年生の王君は、普段から市販の飲料やインスタント食品が大好きで、いつも食べたり飲んだりしていました。その結果、体重が75キロにまで増えたのです。校内の健康診断では、肝臓の数値が正常値の数倍に跳ね上がり、驚いた両親が王君を病院に連れて行ったところ脂肪肝の診断を受けました。

子供でも成人でも、肥満は脂肪肝の最大の危険因子です。多くの人は、脂っこいものはあまり食べない方がいいと思っていますが、一部の食品を制限しても、食事の総カロリーが減らなければ、やはり脂肪肝の問題が生じます。

肥満にならないためには、食事の量を控えることに加えて、砂糖を多く含む飲み物をやめることです。ほとんどの市販飲料にはフルクトース果糖)が含まれています。フルクトースは、砂糖やブドウ糖と比較しても害が大きく、脂肪肝を引き起こす可能性が高い物質です。

フルクトースはまた体内の脂肪の代謝異常を引き起こすとともに、血管の硬化を招き、心臓血管の疾病を誘発します。

肥満のほかに、以下のような非アルコール性脂肪肝の高リスク因子があります。
列挙すると、「糖尿病および糖尿病の家族歴」「高脂血症」「メタボリック症候群」「C型肝炎」などです。

また、見かけは肥満ではない人、あるいは痩せている人でも脂肪肝になることはあります。肥満でなくても、内臓脂肪や体脂肪率が高い「偽やせ型」の人も少なくないからです。
 

「7種の食物」で肝臓をダイエット

脂肪肝を直接消失させる薬はありませんが、体重を減らすことで改善できます。
台北聯合病院では、多くの脂肪肝の患者に対して実施した生活習慣の調整、食事の指導、運動による体重減少などにより「脂肪肝が消えた」と報告しています。

食事量は控えめにし、油、塩、砂糖は少なめにします。各種の栄養をバランスよく摂るようにしましょう。抗酸化物質を含む食物の不足は、とくに肝臓を傷つけます。その点、脂肪肝患者は健常者よりもマイナスの影響が大きいので、十分な注意が必要です。

脂肪肝を避ける「7種の食物」を、以下にご紹介します。

1、 エンバク(燕麦)
豊富なリノール酸を含み、血中脂質やトリアシルグリセロールを減少できるとともに、便通を良くする効果もあります。

2、 トウモロコシ
豊富なセレン、カルシウム、ビタミンE、レシチンを含み、いずれも血中脂質を低下させる働きがあります。

3、 ニンニク
硫化物を含む混合物は、血中コレステロールを減少させ、血栓の形成を阻止するとともに、脂肪肝の改善に役立ち、抵抗力を向上させます。

4、 昆布
タウリンが含まれ、胆汁と血液中のコレステロールを低下させます。食物繊維アルギン酸も含まれていて、コレステロールの代謝を促してくれます。

5、 魚、エビ、貝類
肝細胞の修復と再生を促進することができます。生体の代謝消耗を補充し、一定量のタンパク質を提供します。

6、 ウーロン茶(烏龍茶)
脂質を下げ、血圧を下げるのに役立ちます。ただし、飲みすぎると眠れなくなるため、夜は飲まないでください。

7、 シロキクラゲ
豊富なタンパク質、脂肪、食物繊維、微量元素、コロイドおよびシロキクラゲ多糖体があります。シロキクラゲ多糖体は肝臓、腎臓の機能を改善するととともに、血中脂質、中性脂肪を低下させ、免疫力を増強します。

これらの食材を、日常の食事の中にぜひ取り入れてください。
重大な疾病に至る前に、まず脂肪肝をコントロールすることが、あなたの大切な体を守ることにつながります。

(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)