漢方医学だけでなく、西洋医学の観点からも、お酢を効果的に摂取することは体に多くの利益をもたらします。(Shutterstock)

三千年の歴史を越えて「人はなぜ、お酢を摂るのか」

今回は「お酢」のお話です。

現代中国語に「吃醋(喫醋)」という言葉があります。字義だけを見ると「酢を食する」なのですが、中国語のなかでは「嫉妬する。やきもちを焼く」の意味で使われることがほとんどです。

北宋の文人で陳慥(ちんぞう)という人がいました。この陳慥の妻である柳氏は、とんでもなく嫉妬深い女性でした。客好きの夫が友人を自宅に招いたとき、歓待のため宴席に芸妓を呼んだりすると、壁を叩いて大声をあげたそうです。

あまりの恐ろしさに客は逃げ帰ったといいますから、その狂乱ぶりは相当なものだったようです。陳慥の親友であった蘇軾(蘇東坡)が、この奥さんに対する陳慥の恐妻ぶりを、ユーモアを交えて詩文に入れた語句から、妻を怖がる意味の成語「河東獅吼(かとうしこう)」が生まれました。

▶ 続きを読む
関連記事
中医学では、冷たい飲食物や生活習慣の積み重ねが、手足の冷えや疲労感、胃腸の不調に関わると考えます。寒体質が生まれる背景と、年齢に応じた注意点を紹介します。
中医学では、感情や日々の行いが体の状態にも影響すると考えます。仁・義・礼・智・信という五常と五臓の関係、恨みや怒りを手放す実践法を紹介します。
痰の色や質感は体内の寒熱や水分代謝の乱れを映すサインと考えられています。白い痰、黄色い痰、粘りの強い痰などの違いと、食事で気をつけたい点を紹介します。
中医学では、心の落ち着きや意識の明るさを「神」と捉え、内なる鏡にたとえます。ストレスや生活習慣で曇った心を整えるための、睡眠、自然、瞑想、道徳的な明晰さの視点を紹介します。
中医学の五行説では、怒りや心配、不安などの感情は体内の気の流れと関わると考えられています。木・火・土・金・水の視点から、心身のバランスを整える知恵を紹介します。