「新型コロナウイルス(中共ウイルス)に感染しにくい人」がいるとすれば、どのような人でしょうか。
欧州のウイルス学専門家でバイオテクノロジー会社の首席科学者である董宇紅博士は、自他の研究結果を総合して「新型コロナウイルスに感染しにくい人の体質」について言及しました。以下は、董宇紅氏への特別インタビューの概要です。
「インターフェロン、血液型、遺伝子」がキーワード
新型コロナウイルスに感染しにくい3つの要素は、その人がもつ「インターフェロン、血液型、遺伝子」にあると考えられます。
サイトカインの一種であるインターフェロンは、ウイルスなどの病原体が体内に入ったときに、感染症から体を守り、重症化を防ぐはたらきをします。
体内でインターフェロンを生産する能力、および体内のインターフェロンのレベルは個人によって異なりますが、新型コロナウイルス感染症の制御にも欠かせない重要な要素です。
つまり、体内のインターフェロンのレベルが高い人は、新型コロナウイルスに感染しにくく、不幸にして感染しても重症化しにくいことが考えられます。
通常よく知られている血液型とは、赤血球の表面にある抗原型の分類です。
A型の人は、その人の赤血球の表面にA抗原が存在します。B型の人はB抗原、AB型の人はAとBの両方の抗原を持っていますが、O型の人はそれを持っていません。
この点、補足すると、A型の人は赤血球の表面にA抗原がありますが、その人の体内には(A抗体はなく)B抗体が存在します。B型では体内にA抗体が存在します。またO型の人ではA、B両方の抗体が存在します。
このABO血液型の違いは赤血球だけでなく、人の上皮細胞や内皮細胞にも現れ、人体が罹患する多くの疾患にも関連しています。
あくまでも研究結果の一つですが、 A型の人は胃がんの罹患率が高く、A、B、AB型の人は膵臓がんの罹患率が高いとも言われます。これには炎症促進因子の分泌やアポトーシスなどの作用が関与している可能性があります。
また非O型の人は、O型の人より心臓病、血栓性疾病、高脂血症などを発症しやすいという指摘もあります。
新型コロナウイルスの感染については、国際輸血学会(ISBT)がまとめた血液関係の医学雑誌『Vox Sanguinis』の研究結果によると、「O型の人は新型コロナに感染する可能性が低く、重症化率も低い。一方、A型の人は感染の可能性が高く、重症化する傾向がある」と言います。
これに対して科学者は、以下の2つの仮説を提示しました。
「O型の人がもつA、B抗体はウイルスを中和し、ウイルスと細胞の結合を遮断する。それによってウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ」
「A型の人はA抗体がないため、ウイルスを中和する能力が劣る。また、A型血液の一部の物質は、新型コロナウイルスのヒト細胞受容体に対する親和性を高めるため、感染のリスクおよび重症化のリスクを高める可能性がある」
英国の科学誌『ネイチャー』によると、そうしたウイルスの複製、あるいはウイルスに対抗する自然免疫力に関係する遺伝子についての分析研究が進められています。
そうした積極的な研究を通じて、新型コロナウイルスに対抗できる「自己免疫力」をもつ人から、重要な免疫遺伝子が見つかることが期待されています。
もちろん「インターフェロン、血液型、遺伝子」は多くの要素のうちの一部であり、一つの要素を取り上げて、ウイルス感染のリスクの高低を論じることはできません。
つまり、現時点では「O型でインターフェロンレベルが高い人」が安心できるわけではなく、「A型でインターフェロンレベルが低い人」が心配しすぎる必要もないのです。
オミクロン株の感染拡大が爆発的となっています。
今は、私たちが実行可能な努力と注意を続けるとともに、自身の健康状態を良好に保つことを通じて自己免疫力を維持することが重要と言えるでしょう。
(口述・董宇紅/翻訳編集・鳥飼聡)
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