メキシコのイスタピラビーチで、産卵のためにやってきたオニガメ。AFP PHOTO/Hector Guerrero (Photo credit should read HECTOR GUERRERO/AFP via Getty Images)

メキシコで密猟・密輸急増 中国巨大市場狙う ウミガメやトトアバも被害

メキシコでは、中国の希少動物や漢方薬への旺盛な需要を背景に野生動物の密猟・密輸が増加の一途をたどっている。米シンクタンクは世界の動物保護と生物多様性に危害をもたらしていると警鐘を鳴らした。

米ブルッキングス研究所はこのほど、報告書を発表した。報告書は2021年10~12月にかけて、中国、アジア、ヨーロッパに拠点を置く麻薬対策担当者、法執行機関、政府関係者、調査ジャーナリスト、環境活動家に対して行った100件を超えるインタビューに基づいている。

著者であるフェルバブ・ブラウン研究員は3月29日のオンラインセミナーで、メキシコでは中国への輸出目的で密猟や伐採、密輸が横行していると述べ、「犯罪組織が野生動物の取引を利用して、麻薬売買やマネーロンダリングを行っている」と新たな犯罪の温床になっていることを指摘した。

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