米国防総省がロシア国防省と新たなホットラインを開設したことが、米政府高官の話で3日、明らかになった。写真はウクライナ側の部隊。3月3日、キエフで撮影(2022年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

米、ロシアとホットライン新設 ウクライナ侵攻巡る懸念受け

[ワシントン 3日 ロイター] – 米国防総省がロシア国防省と新たなホットラインを開設したことが、米政府高官の話で3日、明らかになった。高官はロイターに、「誤算や軍事事故および激化」を予防する狙いがあると説明した。

ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、欧州の米同盟国は不測の事故を含む紛争の飛び火を恐れている。欧米諸国はまた、ウクライナ政府軍に兵器を供与し、ロシアは他国の介入をけん制している。

高官は匿名を条件に、今月1日にロシア国防省とホットラインを開設したと述べ、NBCの報道を確認した。

米軍は過去のシリア内戦などでもロシアとのホットラインを開設している。

米政府は、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻後、核抑止部隊に警戒態勢に移行するよう命じたことに伴う二国間の緊張を和らげるために取り組んでいる。

報道によると、ロシアのラブロフ外相は2日、第3次世界大戦は核戦争になると述べており、不安感が強まった。

関連記事
ロシアとウクライナが黒海での停戦に合意。米国の仲介で実現し、航行の安全確保やエネルギー施設の保護などで一致。協議はサウジで開催された。
北朝鮮がロシアに再度兵力を増派。韓国国家情報院によると、クルスク州戦線に北朝鮮兵が再投入され、1,000人以上が増派されたと見られる。過去には多くの死傷者を出しており、今回も兵力補充・再編成が行われた可能性がある。
NATOのルッテ事務総長は28日、ロシアに派兵された北朝鮮軍部隊がロシア・クルスク地域に配備されたことを確認したと明らかにした。米国防総省は、北朝鮮が戦闘に加わった場合、米国はウクライナによる米兵器の使用に新たな制限を課さないと発表した。
日米韓3カ国の安全保障担当官は25日、ワシントンで協議を行い、北朝鮮がロシアに派遣した兵士がウクライナの戦線に投入される可能性について「重大な懸念」を表明した。米ホワイトハウスが発表した。
次期大統領を争う共和党のトランプ候補と民主党のハリス候補は、ウクライナ戦争の出口戦略およびロシアとの交渉姿勢において対極的な態度をとっている。