華麗にして清新 クラシック音楽 バロック(中)
オペラの地位の確立
現存している最古のオペラ作品はイタリアの音楽家、ヤコポ・ペーリが1600年以降に書いた『エウリディーチェ』(L’Euridice)で、古代ギリシャの物語を再興させようとする試みの中で生み出された作品です。
後に、多くの作曲家がこの題材を用いてオペラを書くようになりました。ペーリは、この作品でモノディ様式を使用しています。ヴェネツィアのクラウディオ・モンテヴェルディ(1567年-1643年)もこの様式を継承し、改良しました。
1607年に初演された『オルフェオ』はモノディ様式の歌唱を主体とし、ツィンクやテオルボなどの古楽器が使われ、その上、独特な旋律と多種多様な要素により、様々な感情が表現されています。
その後、ナポリのアレッサンドロ・スカルラッティ(1660年-1725年)はオペラを改良して新たなスタイルを生み出しました。1762年、ドイツのクリストフ・ヴィリバルト・グルック( 1714年-1787年)も『オルフェオとエウリディーチェ』を書きました。
クラシック音楽の中で、話すような独唱をレチタティーヴォといい、上記の作曲家たちの作品の中でも現れました。後に、このような独唱形式をスカルラッティが改良して、「アリア」と呼ばれる叙情的で、旋律的な特徴の強い独唱曲に発展させました。これをきっかけにイタリアのオペラの地位が確立したのです。
オラトリオ
オラトリオはオペラの影響を受けて生まれたもので、主に宗教物語を題材とし、歌唱や演奏方式で、神への信仰と祈祷を表すものです。ドイツのヨハン・ゼバスティアン・バッハやフランツ・ヨーゼフ・ハイドンらの著名な作曲家たちがいくつもの名作を残しています。
(作者 古文明/翻訳編集 天野秀)
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