腎臓を養うことは、漢方でいう養生の重要な一環です。日常の簡単な動作で「養腎」の効果を上げることができます( asu0307 / PIXTA)

腎臓を健やかに保つ「漢方の4つの方法をお試しください」

漢方医学では「腎は先天の本(もと)」と言います。

先天とは「生まれつき備わっている特性」を意味します。これに対して、後天は「人間が誕生した後に身につけていくこと」を指します。

漢方の「腎」は範囲が広い

漢方であつかう全て養生法のなかで、腎(腎臓)の養生は重要な一環とされています。

一方、日常の動作によって「腎臓を養う(腎臓機能を良好に保つ)」ことが簡単にできるのです。

腎臓は腰部脊柱の両側に位置し、左右に一つずつあります。

その腎臓を養うには、まず漢方医学の「腎」とは何かを理解しなければなりません。

漢方医学における腎とは、単独の臓器としての腎臓を指すだけではありません。

腎臓の機能は、西洋医学では「血中の老廃物を濾過して排出すること」に限定されますが、漢方医学においては、成長・発育・生殖などに関係する泌尿器・生殖器・腎臓などを総合した、重要かつ幅広い機能を「腎」と呼んでいます。

 

腎を養う「4つの方法」

以下に、4つの簡単な養腎法(腎臓の状態を改善する方法)をご紹介しましょう。

 

1、唾液を飲む

唾液は昔から「金津玉液」と見なされています。唾液を飲み込むことで、腎臓の精を養うことができるのです。

朝起きたらベッドの上に座り、数分間「舌を口蓋に当てる」をしてみてください。口の中が唾液でいっぱいになったら、その唾液でうがいをして、ゆっくり飲み込みます。

食事の時にも、食物をよく噛んで、ゆっくり飲み込むようにします。一口ごとに、少なくとも30回噛んでから飲み込むと、唾液によって消化が助けられ、よく腎臓の精を補います。

腎臓を養う動作「唾液を飲み込む」(Akina図面/大紀元)

2、腹式呼吸

漢方では、腎臓の重要な機能について「腎主納気」と言われます。腎臓は、体外から肺へ吸い込んだ自然界の清気を吸収するとともに、吸気の深さを保持して、呼吸が浅くなることを防ぐ作用を発揮するのです。

腹式呼吸法によって、肺気を上から下へおろし、腎臓に至るまで沈ませます。

効果的な腹式呼吸法には、次のようなコツがあります。

呼吸は深く長く、ゆっくりと、鼻から吸って、口から吐きます。1回の呼吸は15秒くらいで、3~5秒かけて深くお腹に入れるように空気を吸い、 そこで1秒間息を止めます。

次にゆっくり息を吐き、体内の空気を完全に出し切ります。

この腹式呼吸を1回あたり5~15分。可能ならば、30分行うのがベストです。

 

腎臓を養う動作「腹式呼吸法」(Akina図面/大紀元)

3、湧泉(ゆうせん)のツボ押し

湧泉の穴(ツボ)は足裏の、足の指を折り曲げたときに最も陥没するところにあります。

万能ツボと言われる湧泉を、手の親指で押したり、摩擦したりすることで、全身に良い効果が得られますが、腎臓の機能を活性化することにも役立ちます。

腎臓を養う動作「湧泉のツボを押す」(Akina図面/大紀元)

4、腎兪(じんゆ)のツボ押し

腎兪のツボは、腰の背骨から指2本分外側の左右にあります。

自分で両手を後ろに回したとき、ちょうど親指が当たる場所がこのツボです。

このツボを親指で押す、または親指以外の4指で摩擦することで腎臓の機能を改善することができます。

腎臓を養う動作「腎臓の兪穴を押す」(Akina図面/大紀元)

(文・吳國斌/翻訳編集・鳥飼聡)

関連記事
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。
食品添加物「カラギーナン」が健康に与える影響についての新しい研究結果を紹介。インスリン感受性や炎症の悪化と関連があり、摂取を控える方法も提案します。