珍しいピンクのハンドフィッシュがタスマニア沖で発見

オーストラリアの海洋研究者は、タスマニア沖で非常に珍しいピンク色の手を持った魚を偶然発見しました。この種の目撃情報は、今まで4件しか記録されていないようです。

報道によると、2021年2月、この研究者はタスマニア沖のタスマンフラクチャーマリンパークに、地元のサンゴやアカザエビ、その他の様々な魚の研究をしに訪れ、ベイトカメラ(餌で魚をおびき寄せるカメラ)の準備をしました。

10月、タスマニア大学海洋南極学研究所の研究助手であるアシュレー・バスティアンソン氏は、餌に引き寄せられた多くの大きい魚に比べ、かなり体の小さい魚がヒレで歩くような姿が映った映像を見つけました。

「私は水中カメラが撮影した動画の1つを見ていましたが、突然リーフの上に小さな魚が現れ、それはちょっと奇妙に見えたのです。よく見てみると、その魚の小さな手が見えました」とバスティアンソン氏はABCに語っています。

その写真(こちらをクリック)には、長さ約15cmのピンクハンドフィッシュが、イセエビに驚いてサンゴ礁の奥から飛び出した様子がとらえられており、その他にもたくさんの生き物が写っています。

タスマニア大学の准教授でタスマニア大学の主任海洋生物学者のネビル・バレット氏は「これは驚くべき発見です。以前考えられていたよりも、ピンクハンドフィッシュの生息地と分布の範囲は広いと思われます」と述べています。

科学者たちは以前、ピンクハンドフィッシュの生息地は人里離れた浅瀬の湾だと考えていましたが、最近、タスマニアから遠く離れた南海岸の沖合、深さ120メートルでも発見されています。

バレット氏はまた、ピンクのハンドフィッシュは過去に4回しか目撃されておらず、最近では1999年にダイバーが目撃したものが最後だと述べています。

(ピンクのハンドフィッシュの動画はこちらから)

ピンクハンドフィッシュは、タスマニア近郊で観察されている14種のハンドフィッシュの1つです。名前が示すように、ハンドフィッシュには「大きな手」のように見える一対のヒレがあり、泳ぐだけでなく、海底を「ウォーキング」することもできます。とても珍しい魚であるため、昨年初めにタスマニア州政府によって絶滅危惧種に指定されました。

この発見は、海底に一定数のピンクハンドフィッシュが存在し、生存状況は非常に安定していることを明確に示しています。バレット氏は、「もし個体数の多い魚だと分かった場合は、絶滅危惧種のリストから外すことができるかもしれません」と述べ、彼の研究チームがさらなる研究を通じて絶滅危惧種のピンクハンドフィッシュの分類を再評価することを期待し、楽観的に見ています。

国に保護されているタスマンフラクチャーマリンパークは南極海まで広がる4万2476平方キロメートル以上の面積をカバーし、その広さはスイスとほぼ同じ大きさであり、ここに生息している海洋生物は非常に多様で、豊富な生態系を持っています。

(翻訳・郡山雨来)