「遅い時間に食べると太りますか?」(2)幅広い食物をとる
(前稿より続く)
炭水化物の「良し悪し」とは?
炭水化物を含む様々な食品は、健康に不可欠な食物繊維、ミネラル、および各種ビタミンの供給源でもあります。
米国の専門誌に掲載されたある研究では、「全粒粉と高繊維質の炭水化物食が、心臓の健康と血糖値の安定に良い」と記されています。
イングランドのプロサッカー選手で、栄養剤製造会社の代表でもあるハル・ロブソン-カヌ氏は、英国の『デイリーエクスプレス』に「根菜類や豆類などは、炭水化物のほかに食物繊維、ビタミン、ミネラルを含んでおり、食生活に良い影響を与えています。食事には、適切な炭水化物を選ぶことが必要です」と答えています。
同様に、ハーバード大学の公共衛生学院のウェブサイトも、「良い炭水化物を摂取し、悪い炭水化物を減らす」ことを提案しています。
「良い炭水化物」の食品とは、未加工または少ない加工の全粒穀物、野菜、果物、豆類などであり、体が必要とするエネルギーのほかに多くの栄養素が含まれています。
では、食べないほうがよい「悪い炭水化物」とは何でしょうか。
白パン、ペストリー、甘い炭酸飲料、ケーキ、クッキー、キャンディなど、高度に精製加工された食品がそれに相当します。これらの食品は肥満になりやすく、心血管疾患や糖尿病のリスクを高めます。
サプリメントは必要ですか?
米国立衛生研究院の顧問管理栄養士であるキャロル・ハーゲンス氏は、「健康的な食品を幅広く食べれば、必要な栄養を全て摂取することができます。そうであれば、サプリメントは飲まなくてもいいのです」と述べています。
サプリメントの栄養素は特定の食品から抽出されますが、その錠剤を飲んでも、必ずしも元の食品と同等の健康効果を得られるとは限らず、場合によっては副作用を引き起こすこともあります。
米国立衛生研究院は、「抗酸化物質の多い通常の食物を食べることは、慢性病の予防に役立ちます。しかし、抗酸化剤のサプリメントを大量に摂取すると、がんなどの発病リスクが高まる可能性もあるのです」と警告します。さらに、サプリメントなど栄養補助食品は、特定の薬剤に反応することがあります。
現在、米国人の半数以上が毎日1種類以上のサプリメントを服用しています。
米国立衛生研究院は、サプリメントを服用する際には、サプリメントの化学成分および製造方法、サプリメントが体内でどのように作用するかをよく把握するとともに、1日に摂取する量を制限する必要があると強調しています。
遅い時間に食べると太りますか?
先述のハル・ロブソン-カヌ氏は、次のように言います。
「第一に、食事をする時間ではなく、摂取カロリー量や食事の内容に留意すべきです。栄養バランスの取れた食事であれば、時間はとくに心配することはありません。1日の時間配分にストレスを与えず、自分に合った食事リズムを見つけることです」
英国の栄養学専門誌『British Journal of nutrition』のある研究によると、4歳から18歳までの未成年者が午後8時以降に食事をしても、体重過多やエネルギー摂取量増加との関連性は、とくに認められなかったとしています。
しかし、他の研究では、異なる結果も出ています。
深夜(午後11時から午前5時まで)に食事する人のほうが、同じ時間に食事しない人よりも514カロリー多く摂取していることが分かりました。そのため体重も、深夜に食べる人は平均4.5 kg増加していたのです。
また、複数の論文の分析によると、夜食をとる人はより多くのカロリーを摂取するうえ、あまり健康的でない食物を選ぶ傾向があります。
現代人の生活リズムは、夜勤をするなど、職業によって人それぞれです。
その条件を変えることは難しいかもしれませんが、あまり遅い時間(寝る前など)に食べると、胃腸の消化を妨げ、体に負担をかけることは間違いありません。
(次稿に続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)