董宇紅博士が解説する:「進化論」その破綻した論理(3)
(前稿より続く)
そのほかにも、これまで「人類の祖先」と言われてきた化石が複数あります。
発見された化石は「部分のみ」
それらの化石が(ピルトダウン猿人のように)故意に捏造されたものであるとは言えません。
ただ、いずれも部分的に発見された化石であり、それを科学者が「組み合わせて」ひとつのイメージを作ったに過ぎないのです。
例えば、いわゆる「ジャワ原人」は1891年に発見された化石ですが、出土したのは頭蓋骨、大腿骨、それに3本の歯だけです。
研究者や科学者は、それらのわずかな骨片からイメージを膨らませ、組み合わせてジャワ原人の姿に迫ろうとしたのであって、個体の全身骨格を確認できたわけではありません。
同様に、北京原人は1920~1930年、中国北京の周口店で「直立人」として発見され、人類の祖先の存在を示す有力な証拠とされています。しかし実際のところ、その化石は頭蓋骨の破片や、わずかに歯などがくっついているだけです。
1つの推論ですが、多くの科学者は、北京原人の脳がこのように小さいことから、「これは人類の祖先ではないようだ。むしろ、古代人が食べるために狩っていた猿ではないか」と疑問を呈しています。
疑問2:進化は「遺伝子の突然変異」なのか?
ダーウィンの進化論によれば、「種が進化するには、まず原種の個体が突然変異する必要がある」としています。
しかし、ほとんどの突然変異は有害な現象であり、突然変異で有益な変化が起こる確率は約1/1000であると言われています。
その後、この突然変異は、元の種族自身の他の遺伝子と適合する必要があります。そうしてこそ、生存競争の中で生き残ることができ、かつ繁殖する機会があるのです。
そう考えると、1つの有益な遺伝子が個体群の中で安定して生存し、子孫を増やす確率は、ほぼゼロに等しいと言えます。
ある新種の進化には、10の有益な突然変異遺伝子(実際それだけではありません)が必要であり、そのために「10の97乗年」の時間を要すると仮定します。
しかし、私たちが現在発見している宇宙の年齢はわずか200億年。つまり10の10乗年ですので、そのなかで遺伝子の突然変異による新種を作り出すことはほとんど不可能です。
言い換えれば、宇宙は、待つ時間を与えてはくれないことを示しています。
疑問3:自然界は「優勝劣敗」なのか?
「適者生存」あるいは「優勝劣敗」などと言います。
進化論のもう1つの重要なポイントは、より適応力のある個体が生き残るため「自然の摂理に適っている」と言うのです。
しかし自然界の生物は、本当にこの法則に従っているのでしょうか。
科学誌『ネイチャー』に発表された研究によると、ボストン大学とハーバード大学の科学者は細菌の薬物耐性を研究する際に、以下のことを発見したと言います。
「いくつかの抵抗力の強い菌株は、自身を犠牲にすることで、この細菌群体が更に速く、抗生物質に対する薬物耐性を生成させる。これによって、全体の生存機会を高めようとする」
つまり、自然界は「自然の摂理に適っている」という苛酷な競争原理に完全に従っているわけではなく、バクテリアのような小さな生命でさえ、自己犠牲的、かつ利他的行動をとるのです。
以前には、「原子よりも小さく分割できるものはない」と考えられていました。しかし1897年に、英国の物理学者サー・ジョセフ・トムソン氏が、原子をさらに小さく分割できることを認めたのです。
科学の発展とは、従来の古い観念を絶えず更新することに尽きます。
ダーウィンの進化論は1859年に出た仮説です。今、その真偽が問われているのも、無理なことではありません。
それゆえに、現代における進化論の論理は破綻していると言わざるを得ません。
(次稿に続く)
(口述・董宇紅/翻訳編集・鳥飼聡)