「なんとかしたい膝の痛み」変形性膝関節症の緩和と予防法(2)
(前稿より続く)
変形性膝関節症には、病院での治療と生活習慣の改善に加えて、以下のような6つの簡単な在宅リハビリが膝の健康を回復するのに役立ちます。
1、太もも前側の筋肉を伸ばす
立位で、椅子またはベッドの縁を片手で支えます。
片足の膝を曲げて後ろに上げ、上げた足首を片方の手でつかみます。その太ももを後ろに引いて、太もも前側の筋肉を伸ばして、引き締めます。それぞれ10~20秒間を毎分10~20回。1日に3回を維持します。
2、太もも裏側の筋肉を伸ばす
太もも裏側の筋肉(ハムストリング筋)を伸ばします。
仰向けになり、両手で片方の太ももを抱き、膝を伸ばして太もも裏側の筋肉を伸ばして、引き締めます。それぞれ10~20秒間を毎分10~20回。1日に3回を維持します。
3、大腿部後側の筋肉を鍛える
うつぶせの姿勢で膝を曲げて床面から離し、大腿を上げます。
そのとき、膝の下にタオルを当てて関節への衝撃を緩和します。それぞれ10~20秒間を毎分6~20回。1日に3回を維持します。
4、膝を伸ばす運動
仰向けになり、片方の膝の下にタオルを巻いて入れます。膝が曲がった状態から、膝を伸ばして、かかとをベッドから浮かせます。数回繰り返したら足を替えます。
それぞれ10~20秒間を毎分6~20回。1日に3回を維持します。
5、座位からの膝の運動
椅子に座る姿勢で、背筋を伸ばします。両手は体の両側でリラックスさせてください。
片足をまっすぐ前に伸ばします。数回繰り返してから足を替えます。それぞれ10~20秒間を毎分6~20回。1日に3回を維持します。
6、寝たまま膝を伸ばす運動
仰向けになり、背筋を伸ばし、両手を体の両側にリラックスさせます。
片足をまっすぐに伸ばしたまま床から30センチほど上げます。数回繰り返してから足を替えてください。それぞれ10~20秒間を毎分6~20回。1日に3回を維持します。
こうした運動を日常のなかに取り入れることで、まだ変形性膝関節症になっていない人でも膝を保護し、膝痛を予防することができます。
変形性膝関節症は、老化によって膝を守る関節周りの筋肉が減少していることも原因の1つです。膝周りの筋肉や靭帯を強くするため、食事内容についても留意しましょう。
小魚や牛乳などのカルシウムを含む食品を十分に摂り、適度に日光に当たることも必要です。ゼラチンやコンドロイチンを含む食物も食事に取り入れてください。食材としては、豚足、モミジ(鶏の足)、長芋などが良いでしょう。
なお、台湾には国民の1割ほどの素食者(ベジタリアン)がいます。
彼らは動物性の食物を食べないので、体が必要とする栄養は全て植物性の代替物で摂るようにしています。
例えば、ゼラチン質の食物は、黒キクラゲや白キクラゲを食べることで補えます。日本の食生活においても、応用できる方法と言えるでしょう。
高齢者に限らず、どの年齢の人でも、ご自分の関節のケアにはぜひ留意してください。
今から実行する適度な運動と食事への気づかいで、将来起こるかもしれない辛い膝痛を回避することは可能です。
(口述・郭大維/翻訳編集・鳥飼聡)