伝統的芸術が語る美とは何か (上)
「本当の芸術は、人々にサプライズをもたらすだけでなく、我々に手を振っているのだ。限りない魅力に満ち溢れ、何を語っているのかと思わず近づきたくなる」。フランスの美術評論家のロジェ・ド・ピレス(Roger de Piles)は1708年に出版した『Principles of Painting』(絵画の原理)という本の中でこのように書いています。
伝統的な芸術作品が私たちの心に語りかけている時、その背後には導きや警告が隠されており、同時にもっと自分らしくなることを教えているのです。
ジョバンニ・バティスタ・ガウリ(Giovanni Battista Gaulli)、通称バチッチョ。彼の「幼子イエスを抱く聖ヨセフ」(Saint Joseph Embracing the Infant Christ)では、聖ヨセフが両手で幼子イエスを抱き、上半身を少し屈めて、赤ん坊を包み込むようにしており、父親の愛が十分に感じられます。そして、幼子イエスが聖ヨセフのあごひげで遊んでいるこの微笑ましい光景に、思わず心がほっこりするでしょう。
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