空間時間の曲率。NASA提供の3Dレンダリングイラスト。 (Shutterstock)

絵の中の時空ーー美術家=物理学者?(二)

さらにマクロなスケールに触れると、多くの物理公式や科学法則が適用できなくなり、計算しだしたデータが正確でなくなることが、1つ前の世紀ですでに判明しました。簡単に言えば、惑星の範囲に触れる時、湾曲した空間(Curved spacetime)のことを考えなければなりません。この時の地球環境の中の高さ、幅などの空間的概念は、湾曲した空間やその外界の時空の中では、すでに別の状態なのです。

 

地球周辺の湾曲した空間。人工衛星がオゾン層を飛び出した後の時空環境は、オゾン層内の時とは全く異なる。(NASA)

 

簡単な例を挙げましょう。地面に1本の直線を描きます。正常な環境下で見ると、それは直線ですが、しかし、さらにマクロなスケールの中で、例えば宇宙空間で見ると、それは丸い地球上に書かれた短い弧線になるのです。つまり、異なる時空の範囲の中で、高さ、幅、長さも異なるのです。周りの環境に応じて、見方を変えなければなりません。

地球は自転しながらも、太陽の周囲を公転しています。このこと自体、オゾン層内の空間概念と異なっているのです。地球が自転しているため、赤道上に住んでいる人々は1秒ごとに何百メートルと進んでいますが、誰も何も感じていません。地球の公転により、地球上のすべての生き物は1秒ごとに何十キロも移動していますが、誰も何も感じておらず、地面が動いたことすら知らないのです。すべてはこの環境内に封じ込められているので、この環境内で何をしようが、外界の環境には何の影響もないのです。

この2つの環境の違いは時空の性質の差にあり、つまり、地球内の時間の流れと地球外の時間の流れが異なっているということです。科学界では周知の事実ですが、人工衛星などを宇宙に飛ばす時は、原子時計を微調整しなければなりません。GPS衛星で例を挙げましょう。空中と地上の時間の流れが異なるため、もし、ずっと地上と同じ時計速度を維持すると、GPS衛星システムは毎日、一定の誤差を積み重ねることになり、調整しなければ、時間が経つと使い物にならなくなってしまいます。

地球上では、一般的に思われている「上」という方向は実はその人の頭上を指しています。地球は丸いため、「上」は360度全方位となり、「下」は地球の中心になります。そして、「前後左右」もこの地球の周りの範囲という概念になるのです。私たちが生きているこの「時間」も地球の環境内のもので、すべての概念はこの環境の中でしか通用しないのです。

(つづく)

(翻訳編集・天野秀)

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