「異常な体臭は肝臓からのSOS」睡眠と食事で改善できます(2)
(前稿より続く)
「23時から午前3時」は眠る
漢方医学の説明によると、それぞれの臓器が順調に機能するために、人間が「必ず休むべき時間帯」というのがあります。
23時から午前3時は「肝臓による体の修復期」です。夜更かしをせず、この時間帯にきちんと良質の睡眠をとることで、肝臓は本来の解毒機能を最大限に発揮できるのです。
ところが、仕事が忙しくて残業したり、家庭での育児など、やむを得ない事情のために、十分な睡眠がとれないこともあります。しかしなかには、スマホやパソコンのゲームに夢中になるなど、良くない生活習慣のために夜更かしや徹夜をする人もいます。
いずれにしても、長期にわたって睡眠不足になれば、肝臓が解毒時間帯に機能を発揮できなくなり、各種の病気や、口臭や体臭の問題が発生するのです。
食事の改善から始めましょう
これらの症例は、呉宛容氏の外来診察でもよく見られると言います。
そこで、もし生活習慣をすぐに変えることが難しいなら、呉氏はこれらの患者に対して、肝臓に有益な栄養を補充することを提案しています。
さて、伝統的な漢方医学には、こんな興味深い原則があります。
食物の色が、それぞれの臓腑と対応しているところから、「青入肝、黒入腎、赤入心、黄入脾、白入肺」と言うのです。
例えば「青入肝」とは、「青い食物である野菜は、肝臓に入って、その機能を補う」という意味です。
つまり、肝臓を補い、肝機能を高めて体内を解毒するために、カリフラワー、緑豆、ゴーヤ、アスパラガス、サツマイモの葉、ホウレンソウ、空芯菜などの緑色の野菜や食品を多く食べることが推奨されるのです。
現代の西洋医学でも、緑色野菜には抗酸化成分が含まれており、炎症反応を抑えると言いますから、これらは漢方の主張にかなっていると言えます。
十分な水分補給も忘れずに
また、多糖体を含むキノコ類も薦められます。肝臓が炎症を起こしている状態では、多糖体が免疫細胞の活性を高めますので、肝臓が解毒をする負担を軽減できます。
呉宛容氏は、肝臓に疲労がたまって体臭に影響が出ている人は、日常の飲食について「辛いものなどの刺激物や、ニラ、ニンニク、ネギ、バジル、生姜など、体臭を強くする食材は避けるように」と注意しています。
そのほか、肝臓は代謝と解毒という重要な役割を担っているため、肝臓に疲労がたまった患者は必ず水分補給を十分に行い、循環を促進することが求められます。
(翻訳編集・鳥飼聡)