色は何種類あると思いますか?実は2種類しかありませんーー有色と無色です。無色は白、黒、灰を指し、これに対し有色はこの3色以外の色を指します。
色の分類は、早くも中国の周王朝の時代からありました。当時は、色と彩に分かれ、色は黒と白、彩は赤、黄、青を指します。彩は3色しかありませんが、赤、黄、青からは多くの色を生み出すことができます。例えば、赤と青を混ぜると紫になり、赤と黄からはオレンジ、青と黄からは緑、緑と黄からは黄緑など、このように、異なる色を重ねたり、混ぜたりすることによって、限りない色を生み出せるのです。
中国では、色彩の運用は紀元前5000年から紀元前2700年あたりの黄河中流全域の仰韶(ぎょうしょう)文化から始まっており、発掘された彩色土器は赤褐色をしており、その表面には黒、白、深紅などの色で描かれた模様が施されていました。これにより、仰韶文化は彩陶文化とも呼ばれています。
古くから、色は様々なものに対応していると言われています。「青、赤、黄、白、黒」の五色は五官(目舌口鼻耳)や五情(喜怒哀楽怨)、五味(酸苦甘辛鹹)など実に多くのものに対応しています。そして、目に見えない方向にも対応しているのです。
『周礼』の中に、「東は青、南は赤、西は白、北は黒、天は玄、地は黄」と書かれています。皆さん、青竜、白虎、朱雀、玄武をご存じだと思います。古代の人は夜空の星を4つの区分に分け、東側を竜、西側を虎、南側を雀、北側を玄武として表し、それぞれに対応している色を付けると、東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武となったのです。
この四神はまた建物にも使われています。例えば、北京の故宮の北のゲートは神武門ですが、実は昔は玄武門と呼ばれていました。南のゲートは朱雀門です。
皆さん、五行思想について聞いたことはないでしょうか。古代中国から発祥した自然哲学の思想で、万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説です。この5つの元素はまた上記に書かれた五色にも対応しており、そして、我々の五臓にも対応しているのです。
中医学では、春は肝臓を養い、夏は心臓、秋は肺、冬は腎臓を養うと言われています。肝臓の調子が悪いと肝気鬱結(精神的ストレスによる感情抑うつの状態)の症状が現れやすくなります。そのため、春のうちに肝臓の調子を整えるのが良いでしょう。緑豆には解熱、解毒、消炎作用があるとされていますが、実は、緑豆自体にこれらの作用はないのです。体内の熱や毒素を分解できるのは肝臓で、緑豆は肝臓に非常に良いため、緑豆をたくさん食べると体に良いと言われているのです。
夏の元素は火で、対応している色は赤です。赤色の食べ物は気(エネルギー)を養い、血を補うことができます。秋の元素は金で、対応している色は白です。大根や梨、山芋または長芋などの食材は肺に良いとされています。腎臓の元素は水で、対応している色は黒です。黒豆や黒ゴマなどは、腎臓に良いとされています。
脾胃は簡単に言うと胃腸のことです。脾胃の調子が悪いと、体力が落ち、体調を崩しやすくなるので、1年を通して養わなければなりません。黄色野菜は吸収・消化されやすいので、カボチャや黄小米(アワ)、バナナなどを食べると良いでしょう。中でも、黄小米(アワ)は特に胃腸に優しいのでおすすめです。このように、昔の人々は四季の変化に応じて、対応する食材を多く食べることで五臓六腑を養っていたのです。
(翻訳編集:華山律)
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