認知症の予防と改善のために「この天然食品が役に立ちます」(2)

(前稿より続く)

対抗策は「錆びを防ぐ食物」をとること

しかし、そうした認知症を予防、あるいは改善する方法はあります。

一部の良質な食品、つまり「錆びを防ぐ食物」には、フリーラジカルによるダメージを相殺するとともに、「認知症遺伝子」のリスクを減らす働きがあるのです。

では、脳細胞の「錆びを防ぐ食物」には、どのようなものがあるでしょうか。

1つには、「良い脂肪」を選んで食べることです。
本稿の冒頭で、バーナード氏が子供の頃に食べていたというラードの話を覚えていますか。ラードには飽和脂肪酸が含まれ、トーストに塗るマーガリンにはトランス脂肪酸が含まれています。

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の多い食物は、体にフリーラジカルを大量に発生させ、脳細胞に損傷を与えます。そのため、これらを多く含む食物の摂取を抑えることは、将来起きるかもしれないアルツハイマー病を予防し、脳の機能障害を防ぐための重要な鍵となります。

飽和脂肪酸の多い食物は、アルツハイマー病のリスクを高めます。(健康1+1/大紀元)

一方、人間の脳は、その2/3が脂肪で構成されているため、脳の細胞膜を健全に保つためには、良質の脂肪を安定的に摂取することを必要とします。

「良質な脂肪」こそ不可欠なもの

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、まさに良質な脂肪と言えるもので、脳の栄養源の一つでもあります。

オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は、体内では合成できない長鎖多価不飽和脂肪酸であるため、いずれも食物から摂取する必要があります。

オメガ3脂肪酸は、脂肪の多い魚(サケ、マグロ、ヒラメ、イワシなど)、オキアミ、藻類、クルミ、ナッツ類、亜麻仁に含まれています。

オメガ3脂肪酸は、主に3つの形態に分類されます。エイコサペンタエン酸(EPA)、エイコサヘキサエン酸(DHA)、そしてもう1つはαリノレン酸(ALA)です。

そのなかで、EPAとDHAは青魚などの魚類に豊富に含まれ、食事から人体に直接吸収されます。ALAは、ナッツ類に多く存在しますが、体内で一度DHAおよびEPAに変換されなければなりません。

オメガ6脂肪酸を含む食物には、植物油、ナッツ類、穀物、鶏卵、家禽類などがあります。

健康を増進するために、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の2つの物質は、適度なバランスを保って摂取することが肝要です。
オメガ6脂肪酸が過剰になると、炎症を促進してしまいます。健康的な食事におけるオメガ6脂肪酸は、オメガ3脂肪酸の2〜4倍が適当とされます。
(次稿に続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)

 

 

李路明