絵の中の時空ーー美術家=物理学者?(九)
実は人間は時空(時間と空間)という環境で生活しています。思惟が脳神経を介して脳に反映されるまで、たとえそれが一瞬であっても時間を要するため、人が意識している「現在」は、意識した瞬間に「過去」となっているのです。言い換えれば、人間が感知するのは、長さ、幅、高さなどの空間環境だけではなく、時々刻々に時間の流れをも体験しており、つまり、時空という概念に存在しています。
絵画には時間の表現もあります。例えば、作品中の動きの描写、連続的な物語の絵画の構図手法などは、時間の要素を画面に投影する方法です。
最も一般的な絵画手法は、構図、光と影、色彩で動きの躍動感を表現することです。この表現の手法は、時空の一瞬を固定化して表現するもので、よく言われる「動勢」(動感)のあるものです。ここで、ラファエロ・サンティの油彩「悪魔を倒す聖ミカエル」を例として、このような技法を簡単に紹介します。
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