米国で壊滅的な被害をもたらしている中国原産の害虫、シタベニハゴロモ(学術名:Lycorma delicatula)。(米ペンシルベニア州農務省)

中国原産のシタベニハゴロモが米国14州で大量増殖 果樹などが被害

中国原産の害虫シタベニハゴロモが米国の14州で大量発生し、農産物などに壊滅的な被害をもたらして問題となっている。ペンシルベニア州農務省は「見つけ次第、駆除するよう」呼びかけている。

20日に放送された米FOXニュースの政治トーク番組「タッカー・カールソン」に出演した生物学者のフォレスト・ガラント氏は、シタベニハゴロモを「絶対的な害虫」と呼んだ。「とにかくあらゆる果物を襲うと報告されている」「ペンシルベニア州では約5000万ドルの被害が出ている」と同氏は話した。

シタベニハゴロモはもともと中国など東アジアに生息するカメムシ目の昆虫。米国では、2014年に中国からペンシルベニア州に輸入された岩石から初めて発見され、のちに東海岸全体に広まった。羽に斑点があり、羽を閉じた状態の成虫は体長が約2.5cm、幅が約1.27cm前後。

中国ではハチなどの天敵がいるので、増殖を抑えられていたが、米国侵入後は天敵がいないため爆発的に増えている。今年に入ってから、ニュージャージー州、ニューヨーク州など米国の14州に生息範囲を広げている。リンゴやブドウ、モモ、楓樹 (カエデノキ)などを好み、また、排泄物の液体はすす病を発生させる。

米国農務省(USDA)の外来生物情報センターは、シタベニハゴロモが米国内の多くの産業に「深刻な経済的脅威」を与えていると警告している。ペンシルベニア州農務省は発見次第「殺してから」、政府のウェブサイトに報告するよう市民に呼びかけている。

中国農業大学の研究チームは、米国のシタベニハゴロモは「中国ではなく、韓国から来た」と主張している。

(翻訳編集・李凌)

関連記事
イネ科やキビ、トウモロコシに深刻なの害をもたらす世界10大害虫のひとつ、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera litura)が中国8省で確認された。中国農業農村部によると、暖冬の今年は、昨年よりも被害が大きくなる見込みという。
中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染者が増えている中国東北部では、6月に入ってから、バッタの大群がに発生し、農作物の被害が広がっていると明らかになった。東北部は中国の主要食糧生産地である。中共ウイルスのパンデミックで食糧の輸入が激減し、また、中国各地で異常気象が起きており、今後国内で食糧不足が発生する可能性が高いとみられる。
サバクトビバッタの脅威を経験した後、中国南部では現在、別の蝗害に苦しんでいる。 一部の海外メディアは、被災した村民たちは「状況は予想をはるかに超えている」と嘆くほどだと報じた。このような状況下で、中国では食糧危機が起こるのか、そしてはたして中国の農業生産は一連の自然災害から回復することができるのか?
暑い夏には蚊やハエが特にうるさい。 ハエの場合、食べ物の入ったゴミ箱などに出没し、細菌をまき散らして人の健康に影響を与えます
ハエ、蚊、ゴキブリ、ダニ、ノミ、南京虫、スズメバチ、ムカデなど。夏は、人を困らせる害虫が大量に発生する季節です […]