米国ワシントンDCのペンシルベニア・アベニューにある連邦捜査局(FBI)本部。2022年7月21日撮影 (Chung I Ho/The Epoch Times)

FBI、フェイスブック広告で越境弾圧を警告…「被害に遭っていませんか?」

中国共産党は海外に住む中国人に圧力をかけて脅す「越境弾圧」を拡大している。こうした中、米連邦捜査局(FBI)はフェイスブックを利用して、同党の違法な活動に対する取り締まりを強化している。

「注意!次のような犯罪の被害に遭ったことはありませんか?もしそうなら、あなたは中国政府による越境弾圧の被害者かもしれません」

FBIは昨年12月28日からフェイスブックに有料広告を掲載。サイバーストーキング、身体的またはサイバーハラスメント、暴行、「WeChat」を通じたハラスメント、恐喝の被害に遭う人は、FBIのフィラデルフィア支局に届け出るよう呼びかけている。

FBIのウェブページによれば、中国共産党は活動家、反体制派、ジャーナリスト、少数民族や宗教団体などを標的に嫌がらせをしている。「海外に家族のいる帰化した個人や米国生まれの市民を標的にすることこともある」と指摘する。

「米国の居住する者ならば市民権に関わらず言論の自由は保護される。越境弾圧は違法である」とFBIは強調する。

FBIは越境弾圧の一例として米司法省が昨年7月、米国国土安全保障省の現職捜査官と元捜査官ら5人をスパイ行為などで起訴した事案を挙げた。

起訴状によれば、被告らは画商を装って反体制派アーティストの職場や車に密かに監視カメラやGPS機器を取り付けて、嫌がらせを行っていた。

また米司法省は昨年、中国の民主化を支持した市民活動家に脅迫やストーカー行為を働いたとして、バークリー音楽大学に留学していた中国籍の呉暁雷(音訳:Wu Xiaolei)被告を起訴している。呉暁雷被告は市民活動家に対して「手を切り落とす」などの脅迫行為を行ったほか、中国国内の公安機関にも通報し、市民活動家の家族に圧力をかけるなどと脅していた。

「美国長楽公会」が所有する6階建のビル。ビル内には中国の福建省福州市の公安部が設置している中国海外警察署がある (Samira Bouaou/The Epoch Times)

このほか、中国共産党が世界中に150以上設置している海外警察署も異論を唱える人権活動家らに帰国を迫る活動の拠点となっている。FBIは昨秋、ニューヨーク・マンハッタンの中国海外警察署を犯罪捜査の一環として家宅捜査し、資料を押収していたことがニューヨーク・タイムズ12日付の報道で明らかになった。

FBIの広報担当者はエポックタイムズの取材に対し「多くの被害者は、国境を越えた抑圧が違法であることに気づいていない」と指摘。「FBIは弾圧やその手法、FBIへの報告方法について、地域社会の啓蒙に努めている」と述べた。

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