100回超の黙秘権行使 ファウチ氏に公聴会で追及 議会侮辱罪問われる可能性も

2026/07/30 更新: 2026/07/30

米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の所長を1984年から2022年まで務め、新型コロナウイルス対策の中心人物だったアンソニー・ファウチ博士(85)は29日、米上院国土安全保障・政府問題委員会の公聴会に出席したが、同日に公開された自身の日記を巡る議員らの質問に対し、100回以上も黙秘権を行使し証言を拒否した。

ファウチ氏は冒頭陳述で、「議会と立法府を深く尊重しており、長年にわたり議会の要請に協力してきた。しかし、弁護士の助言に従い、憲法修正第5条に基づく権利を行使し、質問への回答を控える」と述べた。

その後の質疑では、修正第5条を理由に100回以上にわたり回答を拒否。同条は、刑事事件において自己に不利益となる証言を強要されない権利を保障している。ファウチ氏は2025年に予防的恩赦を受けている。

一方、連邦法では、議会の召喚状に基づいて出席した証人が審議に関連する質問への回答を拒否したり、一定の場合に議会への情報提供を拒んだりすることは犯罪と定められている。ファウチ氏は同委員会の召喚状に基づき出席しており、罪に問われる可能性がある。

委員長を務める共和党のランド・ポール上院議員は公聴会後、来週にもファウチ氏を議会侮辱罪で告発するよう勧告するかどうかを委員会で採決する方針を明らかにした。

ポール氏は「ファウチ氏は刑事責任について免責を受けており、修正第5条に隠れる必要はなかった。恩赦を受けた場合には修正第5条は適用されない可能性もある」と述べた。また、召喚状は適法であり、質問はいずれも米国立アレルギー・感染症研究所所長および大統領首席顧問としての意思決定に関する重要事項だったと主張した。

ファウチ氏の代理人弁護士は、公聴会中に議員へ発言しようとしたとして退席を命じられた。同弁護士は報道機関のコメント要請には応じなかった。

今回の公聴会は、ポール氏がファウチ氏の新型コロナ対応時の日記を公開したことを受けて開かれた。日記には、ファウチ氏がこれまで公に説明してきた内容と食い違う記述が含まれている。

2020年3月の日記には、当時のニューヨーク市長ビル・デブラシオ氏との電話協議について、「私の公の発言と今夜の会話を踏まえ、ニューヨーク市の学校閉鎖を決断するよう説得した」と記されていた。

さらに、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事の首席補佐官とも協議し、「私のテレビ出演を受けて、知事は学校に加え、バーやレストランの閉鎖も決定した」と記録していた。

また、中国・武漢で新型コロナウイルスが確認された直後に科学者らと行った協議についても記載されており、参加した11人中9人が、ウイルスに「フーリン切断部位」と呼ばれる特徴が人為的に挿入された可能性があるとの見方を示していたという。

その後公開された研究計画には、コウモリ由来コロナウイルスへフーリン切断部位を組み込む実験が盛り込まれ、研究は中国で実施される可能性があったとされる。

ポール氏は29日、「これは驚くべき偶然か、あるいは決定的証拠のどちらかだ」と述べた。

ファウチ氏はこれまで、新型コロナウイルスの起源について自然発生説が有力との見解を繰り返し示し、自らが率いた機関は機能獲得研究(ゲイン・オブ・ファンクション研究)には資金提供していないと説明してきた。

これに対し、トランプ大統領は29日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「私は当初から、コロナは武漢の研究所から流出したと主張してきた。ファウチ氏は中国を守ろうとして、常にこれに強く反対していた」と投稿した。

一方、米政府監察総監は、NIAIDが武漢の研究所で行われた高リスク実験に資金を提供していたほか、その実験に対する十分な監督が行われていなかったと認定している。

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。
関連特集: 米国