トランプ氏  66億ドル規模の大型造船所建設を発表

2026/10/07 更新: 2026/10/07

トランプ米大統領は10月6日、米政府と防衛関連企業アンドゥリル・インダストリーズが共同で66億ドルを投じ、メリーランド州ボルティモア近郊に、先端技術を活用した新たな防衛用造船所を建設すると発表した。米国の潜水艦と自律型水中システムの生産能力を拡大する。

米戦争省の発表によると、トランプ氏は同日、メリーランド州スパローズポイントで新造船所事業の発表式典に出席して演説し、「アーセナル2」と名付けられた造船所の建設開始を発表した。

新造船所はトレードポイント・アトランティックの敷地内に位置する。この地域はかつてベスレヘム・スチールの大規模な鉄鋼生産拠点であり、造船でも長い歴史を持つ。

アンドゥリルは造船所の建設と運営に37億ドルを投じる計画で、米海軍は最大29億ドルの関連生産契約を提供する。事業の総規模は最大66億ドルとなる。第2次世界大戦以降、米国最大の造船所建設事業であり、潜水艦の生産能力拡大、海軍の優位性回復、地域の製造業と雇用の振興を目指す。

トランプ氏は、完成後のアーセナル2は同種の造船所として米国最大規模となり、第2次世界大戦終結以降に米国で建設された新造船所としても最大になると述べた。

10月6日、メリーランド州スパローズポイントのトレードポイント・アトランティックで、トランプ米大統領に登壇して演説するよう促し、その後握手するピート・ヘグセス米戦争長官(左)。(Win McNamee/Getty Images/AFP
10月6日、メリーランド州スパローズポイントのトレードポイント・アトランティックで演説するトランプ米大統領(Win McNamee/Getty Images/AFP)
10月6日、メリーランド州スパローズポイントのトレードポイント・アトランティックで、トランプ米大統領の演説を聞くハワード・ラトニック米商務長官、ラッセル・ボート米行政管理予算局長、ハン・カオ海軍長官代行(Win McNamee/Getty Images/AFP)

米政府は現在、4か所の造船所を保有しているが、これらは主に現役艦艇の修理や保守を担っており、新たな艦艇の建造や新型艦艇の部品生産を行うものではない。

造船能力を大幅に拡充

計画によると、アーセナル2は主に潜水艦の重要部品を生産する。初期にはバージニア級原子力攻撃潜水艦用の魚雷発射管などを製造し、将来的にはより大型の潜水艦構造物や部品へと段階的に拡大する。同時に、自律型無人潜水機などの装備を生産する能力も備える。

アンドゥリルの公式発表によると、造船所の建物面積は200万平方フィート(約18万6千平方メートル)を超える。同社は自動化、ソフトウエア、デジタル製造技術を活用し、生産効率を高める計画だ。すでにカリフォルニア州で関連部品の生産を開始しており、新造船所は2030年に稼働し、その後、段階的に生産能力を拡大する見通しだ。

米政府当局者によると、米海軍は現在、バージニア級原子力攻撃潜水艦26隻を保有している。長期的な目標は年間2隻の建造ペースを維持することだが、実際の建造ペースは現在、年間約1.3隻となっている。米当局者は、新工場の完成後、年間約900万時間の作業工数が加わり、潜水艦の生産能力が約15%向上すると見積もっている。

また、この事業はボルティモア地域の経済と雇用にとっても重要な事業となる。米側の推計によると、造船所はメリーランド州内で3100人を超える雇用を直接創出し、全米でさらに約1万1千人の雇用につながる。

アンドゥリル、米国防当局との協力を深化

2017年創業のアンドゥリルは、近年急速に事業を拡大している米国の防衛技術企業で、主に無人システム、人工知能(AI)、軍事装備を手掛けている。今回の潜水艦製造分野への参入は、新たな防衛技術企業を取り込み、従来の軍需産業の生産能力を拡大しようとする米政府の重要な取り組みの一つだ。

アンドゥリルの創業者パルマー・ラッキー氏は最近、宇宙開発企業スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)らとともに、米国防当局の「プロジェクト・メリディアン」の共同責任者に任命された。同計画は将来の戦場の形態を研究し、米軍に必要な新型兵器や技術を特定することを目的としている。

ピート・ヘグセス米戦争長官も同日、トランプ氏とともに式典に出席した。同長官は演説で、新造船所はトランプ政権の「自由の兵器庫」構想の重要な一部であり、米国の軍需産業基盤を再建し、防衛装備の製造能力と造船速度を高めることが目的だと述べた。

編集責任者:葉紫微

王君宜
王君宜
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