2023年2月9日、米カリフォルニア州ホルトビルのレタス畑。参考写真 (Photo by SANDY HUFFAKER/AFP via Getty Images)

米上院の超党派議員団、中国による農地買収阻止法案を発表

食糧安全保障の観点から、中国資本による土地買収を阻止する動きが全米で広がっている。マイク・ブラウン上院議員をはじめとする米超党派議員団は22日、中国を含む外国の敵対勢力が支配する組織などが米国の農地を購入することを禁止する法案を提出した。

法案は、土地のリースや購入の禁止に加え、農務省のプログラムに参加することを禁止する。中国のほかイラン、北朝鮮、ロシアといった「外国の敵対的国家が所有・支配する」個人または団体を対象としている。

ブラウン氏は声明で「中国による米国の農地所有は、過去10年間で20倍以上に増加した。外国のトップクラスの敵対的国家が米国の農地を買い占め、農業のサプライチェーンを危険にさらすことを容認するわけにはいかない」と強調した。

米国農務省によると、中国人投資家による米国農地の保有面積は外国人が所有する農地全体の1%に満たないが、2010年からの10年間でその保有面積は20倍以上に膨れ上がっている。

2022年2月17日、上院予算委員会の公聴会で発言するマイク・ブラウン上院議員 (Anna Moneymaker/Getty Images)

法案を共同提出したマルコ・ルビオ議員も「中国共産党を含む外国の敵対勢力が米国のシステムの開放性を悪用し、米国人の農地や食料供給を支配させることを許してはならない」と危機感を示した。

米国の農地を守る

安全保障の強化や食料の安定供給を理由に米国の各州議会は法整備に動いている。

バージニア州議会は2月、中国などが州内の農地を購入することを禁止する法案を可決し、27日までに知事が署名する見込みだ。

テキサス州とフロリダ州議会も、中国を念頭に不動産取得を幅広く制限する法案を推進している。

2月上旬には、米ノースダコタ州グランドフォークス市議会が同市で計画されていた中国企業によるトウモロコシ製粉工場プロジェクトを中止することを全会一致で決定した。グランドフォークス空軍基地からほど近い場所に位置することから、米空軍は「国家安全保障に対する重大な脅威」として警告を発していた。

中国共産党政権と繋がりを持つ中国企業によるプロジェクトを阻止した動きはこれが初めてではない。テキサス州は2021年、中国の億万長者と元軍関係者が同州の米空軍最大のパイロット訓練基地近くに風力発電所を建設しようとしいた計画を無効にした。

上下両院でも超党派で中国による土地購入を阻止する動きが活発化している。今月初めには、ジョシュ・ホーリー上院議員が、所有する土地の売却義務や刑事罰などが盛り込まれた中国土地買収阻止法案を発表。先月も、キャシー・ロジャース下院議員らが同様の法案を提出した。

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