米テキサス州から移民が移送されてきたロサンゼルスのカトリック教会におむつや物資を届ける関係者やボランティアたち。2023年6月14日撮影 (David Swanson/AFP via Getty Images)

不法移民急増に苦慮…米テキサス州、移民バスをLAに移送 市長は非難

長年に渡り不法移民問題に苦慮するメキシコと国境を接する米テキサス州。5月には米国への不法移民を即時送還する法的措置「タイトル42」が廃止され、事態は悪化の一途を辿っている。

こうした中、テキサス州のグレッグ・アボット州知事は14日、メキシコからテキサス州に不法入国した移民約40人をバスでロサンゼルスに送ったと発表した。薬物問題などの犯罪増加を懸念する同氏は、「市民の安全を守る」義務があると、これまでも不法移民に寛容な聖域都市の首都ワシントンやシカゴなどに越境者を送る対策を講じてきた。

ロサンゼルス当局によれば、移送された移民のなかには子供連れの家族も含まれており、同市チャイナタウン地区にある聖アンソニー・クロアチア・カトリック教会でケアやサポートサービスを受けているという。

一方、保守色の強いテキサス州が不法移民を民主党の支配地域に送り届ける対策について、「非人道的」と非難する声も上がる。

ロサンゼルスのカレン・バス市長は声明で、「ロサンゼルスは憎しみや恐怖に突き動かされる街ではない」と強調。「テキサス州に振り回されたり動かされたりすることは絶対にない。我々は政治よりも人々の健康と幸福を常に優先する」と述べた。

昨年には、ニューヨーク市の移民問題担当室長マニュエル・カストロ氏が「移民を武器にしている」とアボット氏を非難。「恥ずべきことだ。政治的目的のために人間を利用することを非難するのは、我々の道徳的義務だ」としていた。

テキサス州のグレッグ・アボット州知事 (Montinique Monroe/Getty Images)

バイデン政権の国境開放政策を受けて、テキサス州は2021年から国境対策「ローンスター作戦」を実施している。この対策のもと37万6000人以上の不法移民を拘束したほか、2万8000人以上の犯罪者を逮捕した。南部国境から密輸されるフェンタニルについては、4億1600万回分の致死量のフェンタニルを押収しているという。

今月初めには、フロリダ州のロン・デサンティス知事が、飛行機で不法移民をカルフォルニア州サクラメントに移送している。

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