飛行機に乗ると耳が痛くなるのはなぜ?改善するには?

飛行機に乗っていると、特に離着陸時に耳が痛くなったり、耳鳴りがしたり、難聴になったりすることがあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか? 改善するためにできることはあるのでしょうか?

ハフィントンポストによると、米ウェブサイト(WebMD)のチーフ・メディカル・オフィサーであるジョン・ホワイト氏は、フライト中に耳と機内の圧力バランスが崩れることで、エアプレーン・イヤー(飛行機の耳)として知られる不快な症状が起こると述べています。

このような現象は耳の気圧外傷、中圧炎、航空性中耳炎とも呼ばれます。

「これは通常、離着陸時に起こり、耳の不快感や痛みを引き起こします。気圧の変化によって鼓膜が伸び、ごくまれに破裂することもあります。その結果、耳が痛くなったり、耳が詰まった感じがしたり、耳鳴りがしたりします」とホワイティ氏はいいます。

また鼻づまりや呼吸器感染症、アレルギーなど、これらの症状を悪化させる要因もあり、耳の機能の一部が影響を受けることもあります。

ホワイト氏は、赤ちゃんや幼児は外耳道が小さいため、より深刻な状態になると述べます。

乳幼児は耳の不快感から飛行機で泣くことがあります。 (kouta / PIXTA)

「飛行機耳」の症状を和らげるにはどうしますか?

耳鼻咽喉科医のブラッドリー・B・ブロック氏は、飛行機が降下するにつれて機内の気圧が上昇するため、中耳の圧力も周囲の気圧に追いつく必要があると説明します。

中耳と鼻の奥をつなぐ耳管は通常閉じていますが、中耳の圧力を機内と同じにするためには、中耳に空気の流れを可能にするよう耳管を開いておく必要があります。

ブロック氏は、耳管を開く方法として、飲み込む、あくびをする、鼻をかむなどの方法があると述べています。唾液の分泌を増やし、飲み込む回数を増やすため、飴を食べたりガムを噛んだりすることも良い方法です。

また、口を閉じ、鼻をつまんで空気を静かに吐き出すと、耳管が開きやすくなります。市販されている鼻づまり除去剤や点鼻スプレーも鼻づまりを緩和し、耳の内側と外側の圧力差を変化させます。

飛行機の機内の様子。 (ペイレスイメージズ1(モデル) / PIXTA)

「飛行機耳」の症状を防ぐには?

水分を十分に摂取し、過度の飲酒を避けること、離着陸時に眠らないことなどが有効だとホワイト氏は言います。

ブロック氏は、鼻づまりを改善する薬を服用し、飛行機が着陸するまで薬が続くようにすることを勧めています。

「飛行機耳」を防ぐもう一つの方法は、着陸時に特別な耳栓をすることだと言います。この耳栓には穴のあいたセラミックフィルターが入っており、通気性があるため、空気流が通るので、耳は気圧の変化に対応できるのです。

また、耳管は飛行中には開かないかもしれませんが、時間をかけるとゆっくりと開いていきます。数時間から数日、場合によっては数週間かかることもあります。

今のところ回復を早める薬はありませんが、鼻からゆっくりと息を吐き出すと、耳管の開通を早めることができます。

飛行機が着陸した後も耳の痛みがしばらく続く場合や、難聴がある場合は、医師の診察を受けて解決策を見つけてください。