8月16日、台湾の頼清徳副総統(写真)は訪問先のパラグアイで、自身の米国立ち寄りを理由に中国が何らかの軍事行動を起こせば、台湾の選挙に対する干渉の試みになるとけん制した。写真はパラグアイのアスンシオンで15日撮影(2023年 ロイター/Cesar Olmedo)

台湾副総統が中国けん制、米立ち寄りで軍事行動なら「選挙干渉」

[台北 16日 ロイター] – 台湾の頼清徳副総統は訪問先のパラグアイで15日、自身の米国立ち寄りを理由に中国が何らかの軍事行動を起こせば、台湾の選挙に対する干渉の試みになるとけん制した。同氏は来年1月の台湾総統選の有力候補。

台湾当局者は選挙を控えて中国が台湾の有権者に戦争の恐怖を植え付けるため、頼氏の米国立ち寄りを口実に今週、台湾周辺で軍事演習を実施する可能性が高いとの見方を示している。

台湾当局系の中央通信社によると、米ニューヨーク経由でパラグアイに到着した頼氏は記者団に対し、こうした米国への立ち寄りは慣例であり、中国がこれを口実に言葉や軍事的方法で台湾を威嚇する理由はないと指摘。

「立ち寄りを口実に中国が言葉による脅しや軍事的威嚇、その他の脅しの手段を取れば、中国が台湾の選挙に軍事的脅しで干渉しようとしているという国際メディアの報道を裏付けるだけだ」と述べた。

台湾国防部(国防省)は15日、これまでのところ中国軍は台湾周辺で大規模な軍事演習や活動を行っていないと述べた。

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