2022年5月、トルコ在住のウイグル人は記者会見を開き、新疆ウイグル自治区で中国当局に拘束されたとされる人々の情報を展示した (Photo by Ozan KOSE / AFP) (Photo by OZAN KOSE/AFP via Getty Images)

「中国大使館が協力」…トルコ在住ウイグル人への越境弾圧強まる=報告

「さきほどあなたの母親と話をした」「おばあさんは体調が優れないようだ」「家族のことを想わないのか」ーー。あるトルコ在住のウイグル人のもとに、中国の警察を名乗る人物からのメッセージが届いた。

国際人権組織の調査報告によれば、中国当局は国際情報ネットワークを通じてトルコ在住ウイグル人の監視と抑圧を強化していることが明らかになった。中国警察や地域の中国関係組織、大使館職員者などがこの情報網を形成しているという。

情報ネットワークを通じて得た個人情報は、冒頭のように、中国本国に残る家族の状況に触れつつ、ウイグル人に海外での言論活動を止めるよう強制したり、中共のプロパガンダに加担するよう強いる。また、他のウイグル人を監視するよう要求する場合もあるという。

この報告はコーチ大学(イスタンブール)の研究者ヤルクン・ウルヨル氏が100人あまりのウイグル人にインタビュー等を行った結果に基づく。報告は今年8月10日に公表され、国際人権組織セーフガード・ディフェンダーズによって広められた。

中国の警察は、海外のウイグル人に直接の電話やメッセージを通じて、または駐トルコ中国大使館職員や家族を通じて、間接的に接触する。中国共産党の方策に合わせるようウイグル人に協力を求める。家族に対する罰則の脅しや、パスポートの更新停止の脅し、金銭の提供などの手法を使うという。

ウルヨル氏は報告書発表に寄せて「社会科学分野のウイグル人学者としての私の責任は、国内外でウイグル人に対する人権侵害を明らかにし、調査すること。政府や国際機関は持ちうるメカニズムによって、ウイグル人を弾圧から保護する責任がある。報告書がその目的に役立つことを願っている」と述べた。

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