一般には「孝」は父母に対するものであり、「孝」とはすなわち「順」(従うこと)です。しかし実際には、もっと深い意味を含んでいます。(Fast&Slow / PIXTA)

中国伝統の美徳 「孝順」

「孝」は、中華民族の伝統的な美徳です。現在の人々が言っている「孝順」とは、一般人の心中では、「孝」は父母に対するものであり、「孝」とはすなわち「順」(従うこと)です。

しかしながら、本当の「孝」とは、実際にはもっと深い意味を含んでおり、より広義においては人の品徳といえます。それは、勿論父母に対してだけでなく、父母に対する「孝」は、その中の一部分にしか過ぎず、単純に父母に順ずるだけが「孝」ではありません。

儒家の経典「孝経」では、孔子の「孝」に対する解釈が、非常に詳細に解説されています。

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春秋時代、曽參(そうしん)という人がいました。彼は非常に親孝行で、いつも両親の好みに合わせて食事を作っていました。曽參の父親が亡くなると、曽參は羊棗(やんつぁう、柿の一種)を二度と口にしなくなりました。曽參の父親が大好物だったからです。
古代中国の唐王朝時代(618年―907年)、侯莫陳 邈(こうばくちん ばく)の妻である鄭氏は昔の賢人に関する歴史の物語が好きでした、このような物語を読むとき、彼女はいつも大いに感激にふけました。そこで、鄭氏は良い物語をまとめ「女孝経」を記し、後世のための道徳の手本としました。
曾子(そうし)は、名が参(しん)で、字(あざな)が神輿(しよ)といい、春秋時代の魯国(ろこく・現在の中国山東省南部を指す)の人です。彼は父親の會点と共に孔子の優秀な弟子でした。
西周王朝の初期、周公旦(しゅうこうたん)は儀礼と音楽を作り、儀礼の中心思想を「尊尊、親親」とすることを提唱しました。彼は、人は天を敬い、臣民は王を敬い、子孫は父親と祖先を敬うべきであると考えて、すべての国民は、自分の友人や親戚を親切に扱うべきであると信じていました。古代の儀礼形式の一部として、親孝行は次第に中国人の最も重要な伝統的価値観の一つとなりました。親孝行が盛んな時代には、年寄りや体の弱い人が支えられずに一人で放置されることはなく、若者は飲水思源(物事の基本を忘れずに大切にするべき)を考
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