米国で一般的に食べられている魚介類、豚肉、鶏肉、牛肉、植物性代替肉などのタンパク質食品の大半にマイクロプラスチックが含まれていることが、新たな研究で明らかになった。
米国の非営利環境保護団体オーシャン・コンサーバンシー(Ocean Conservancy)とトロント大学が共同で行った研究結果が、1月8日付の『Environmental Pollution』誌に掲載された。
研究者らは、魚介類、豚肉、牛肉、鶏肉、豆腐、3種類の植物性代替肉など、米国の消費者向けの16種類のタンパク質から採取したサンプルを分析した。サンプルには、未加工や加工されたタンパク質食品のほか、天然・オーガニック食品も含まれていた。
その結果、検査したタンパク質食品サンプルの88%からマイクロプラスチックが発見された。
特筆すべきは、全サンプルにおいて、特定されたマイクロプラスチックの約半数(44%)が繊維であったことだ。 これは、繊維が環境中のマイクロプラスチックの最も一般的な形態であることを示唆する他の研究と一致している。
研究チームによれば、マイクロプラスチックのおよそ3分の1(30%)はプラスチック片だった。
プラスチック汚染
研究は、高度に加工されたタンパク質製品が、少なく加工された製品よりもグラム当たり多くのマイクロプラスチックを含んでいるとした。また、陸上と海洋のタンパク質食品の間にマイクロプラスチック濃度の統計的な差はないことがわかった。
「ただし、高度に加工された製品と新鮮な製品との間には統計的な差が見られなかったため、食品加工がマイクロプラスチック汚染の唯一の原因ではないことが示される」と研究チームは指摘した。
オーシャン・コンサーバンシーとトロント大学による今回の調査結果と今後発表する別の調査結果を統合して、研究者らは、平均的な米国の成人が年間平均1万1500個のマイクロプラスチックを消費すると推定している。
一方、各タンパク質の種類に含まれるマイクロプラスチックの最高濃度と、報告された平均タンパク質摂取量を用いて計算した場合、最大の曝露量は年間で380万個に達する可能性があると指摘した。
「これは、プラスチック汚染がいかに深刻かを表している。人間は陸上で生活しているが、水産食品は陸上由来のタンパク質と同様にプラスチックに汚染されている可能性が高い」とオーシャン・コンサーバンシーの海洋生物学者ブリッタ・ベヒラー博士は語った。
「何を食べても、プラスチック汚染から逃れることはできない。プラスチック汚染の危機は私たち全員に影響を及ぼしており、私たちはそれに対処するために行動を起こす必要がある」
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