総督の唐執玉が侍女を呼び寄せて言った。「外に出て、誰が泣いているのか見てきなさい。」元の時代の人が描いた《渓橋風雨図》の一部。(パブリックドメイン)

「幽霊」が暴露した2つの冤罪 その判決は如何に(下)

(続き)

 

ある夜、総督(総司令官)である唐執玉が灯火の前に1人でいたとき、突然かすかな泣き声が聞こえてきました。その泣き声は、だんだん窓に近づいてくるようです。唐執玉は、侍女を呼び「誰が泣いているのか。ちょっと見てきなさい」と指示しました。

侍女は外に出た途端、絶叫して倒れてしまいました。唐執玉が急いで玄関へ行ってみると、血まみれの幽霊が石段の下にひざまずいています。驚いた唐執玉に向かって、幽霊はこう言いました。

「私を殺した犯人は(乙)です。ところが県の裁判官は、(甲)を犯人だと誤審してしまいました。私の恨みは晴れていません。これでは死んでも死にきれないのです」

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