岸田文雄首相は11日、米議会の上下両院合同会議で演説し、日本も米国とともに国際秩序を守る義務を負うと強調した。(2024年 ロイター/Michael A. McCoy)

「内向きの同盟国から変化」と岸田首相、日本の役割拡大を米議会で強調

[11日 ロイター] – 岸田文雄首相は11日、米議会の上下両院合同会議で演説し、軍事活動を活発化する中国、ウクライナへの侵攻を続けるロシア、弾道ミサイルの発射などを繰り返す北朝鮮について具体名を挙げた上で、日本も米国とともに国際秩序を守る義務を負うと強調した。

日本の首相が米議会で演説するのは、2015年の安倍晋三元首相以来。岸田首相は安全保障の戦略を見直したこと、防衛費を大幅に増やしたことなどを説明し、「日本は内向きの同盟国から変化を遂げた」と語った。「当初は米国の地域のパートナーだった。今はグローバルのパートナーになった」と述べた。

「国際秩序をほぼ一国で支えてきたことに孤独と疲労感を覚えてきた米国人のみなさんに訴えたい」とし、「あなたはひとりではない。われわれが共にいる」と話した。

世界は「歴史の転換点」を迎えているとし、自由と民主主義が脅かされ、新興国の経済的影響力が拡大し、気候変動人工知能(AI)の急速な進歩が人々の生活に影響を与えていると述べた。

北朝鮮が核開発を進めていること、ウクライナに侵攻するロシアへミサイルを輸出していることについて警告する一方、世界にとって最大の挑戦は中国がもたらしていると指摘した。

「現在の中国の対外的な姿勢や軍事動向は、日本の平和と安全だけでなく、国際社会全体の平和と安定にとっても、これまでにない最大の戦略的な挑戦をもたらしている」とし、「きょうのウクライナはあすの東アジアかもしれない」と述べた。

台湾の重要性を強調するため、下院外交委員会のマイケル・マッコール委員長は台湾のアレクサンダー・ユイ駐米代表をゲストとして招いた。

岸田首相は日米の経済関係にも言及。日本が最大の対米直接投資国で約100万人の雇用を生み出しているとアピールし、日本の対米投資は成長を求めてさらに増えるとの見通しを示した。

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