脳と意識は独立して別々に存在するのか?【未解決ミステリー】

2022年6月、米国の最高裁判所が中絶の権利を保護する法律を覆した後、全米で激しい議論が展開されました。メディアはこれを「選択の権利」と「生存の権利」の争いと呼んでいます。選択権を支持する人々は、個々の身体は自身のものであり、女性は胎児を持つか否かを選択する権利があると主張しています。一方、生存権を支持する人々は、すべての命は神からの恩寵であり、胎児を含む他人の生存権「命」を奪う権利は無いと考えています。

 

ノア君はを持っていなかった!

ノアくんがまだ胎児のとき、脳全体が水で満たされており、正常な人の脳組織のわずか2%しかないことが診断されました。医学的には、このような子供は「無脳児」とされています。無脳児はたとえ無事に生まれてきても、重度の精神的および身体的障害を負う確率が高いと言われています。

 しかし、呼吸を制御する脳神経が発達しないと、自発的な呼吸ができないはずなのに、ノアくんが生まれたとき、大きな鳴き声を上げました。

 3か月の時点で、ノアくんは明らかな意識を示し、視神経の欠損にも関わらず正常な視力を発達させました。1歳の時には脳容量が倍増し、3歳の時点では正常水準の80%に達しました。ノアくんは現在10歳で、脊椎の問題によりまだ正常に歩くことができませんが、他の面では普通の子供と同様に成長してきたのです。

 医学界では脳神経細胞は再生できないと考えられており、人の一生では減少するばかりなはずです。しかし、ノアくんのようにわずか2%しかなかった脳神経が80%にまで成長し、完全な脳を発達させたことは、まさに奇跡だとされています。

 

IQ126の「無脳症」
(日本の平均IQは世界第2位:112.69、ちなみに第1位は台湾)

 もう1人の「無脳症」を患った人も奇跡を生み出しています。それはイギリスのシェフィールド大学の生徒です。数学の才能に優れたこの学生はIQが126と非常に高く、心の知能指数であるEQも高く、周囲の人々とうまく付き合っています。頭がやや大きい以外は、他に異常はありません。

 ところが、脳のスキャン結果によると、この学生の脳はほとんど未知の液体で満たされており、実際の脳組織の厚さはわずか1ミリしかなく、一般的な人間の脳の厚さである約4.5センチとは大きく異なっているのです。つまり、彼は一般的に「無脳症」と定義されるケースであり、正常な人の脳と比較して、わずか2%の脳しか持っていないということです。しかし、ノアくんとは異なり、成人した彼はわずか2%の脳で十分に一般的で正常な生活を送り、何の異常も見せていません。

 では、脳は私たちの生活でどのような役割を果たしているのでしょうか? それは私たちが一般的に考えるような人体のCPUであったり、意識が生まれる場所と言われたり、身体全体を支配する集中制御室のようなものであったりするのでしょうか。あるいは、それほど重要ではなく、存在しなくても問題ない器官なのでしょうか?

 

意識はどこに存在するのか?

 伝統的な神経科学では、意識を脳の活動の産物と定義し、意識は大脳皮質に存在すると考えられています。しかし、現在、いくつもの「無脳症」の現象により、この説明はますます多くの挑戦を受け、否定されようとしています。これらの脳の欠損や、重度の障害を持つ患者は、意識が明確で完全であるにもかかわらず、大脳が存在しない状態です。

 1963年のノーベル生理学・医学賞受賞者であるオーストラリアの神経生理学者、ジョン・キャルー・エクルズ卿は、人間の「意識」と「脳」は独立した別々の存在であると考えています。

 人間は単なる物質ではなく、大脳から独立した「意識」を持っており、この「意識」が大脳の活動を制御しているというのです。

 ドイツの神経科学者レディとインドの学者ペレイラは、2018年に共同で論文を発表し、ノアくんの身体に現れた奇跡を神経量子の観点から説明しました。

 まず彼らは、意識が脳の外に存在すると考えています。脳は微小な神経細胞で満たされた量子世界であり、量子の不確定性原理に基づいて、脳が次に何をするかはランダムな出来事だと言います。一方、外部に存在する意識は、この出来事を観察する観察者です。瞑想の世界では「鑑賞者」と呼ぶかも知れません。量子力学の観察者効果に基づいて、観察者の意志や選択が、観察されるランダムな出来事の結果に影響を与えるため、人の意識は、脳の次の観察結果に影響を与えることができます。

 ノアくんは生まれたときから非常に強い生存意志を持っていました。それは彼が生まれてすぐに行われた5時間の大手術を乗り越えたことから分かります。そしてこの強い意志は、彼の残っていた脳幹部分にも明らかに影響を与え、その部分の再成長を促しました。それはまるで休眠していた種子のように、母の胎内でしか発育しなかった大脳を成長させたのです。

 この出来事の深い意味は、人間の意識、意志というものが、命という存在に大きな関係を持ち、そしてそれは脳という人体の単なる器官ではなくて、もっと不思議な未知の存在であることです。

 

詳しくはEPOCH TVをご覧ください。

李扶摇
新唐人テレビのアナウンサー。25万人のフォロワーを持つ「未解決ミステリー」の司会者。他にも中国の時事動画を手掛けている。2020年受賞映画の主人公でもある。 https://www.youtube.com/@WJZM-FY