フィリピン軍参謀総長ロメオ・ブラウナー将軍(左)が、2024年9月25日にマニラで開催されたアジア防衛安全保障展示会で展示された高機動ロケット砲システム(HIMARS)の前に立つ米兵と話している(Aljibe/AFP/Getty Images)

中国共産党の脅威を抑止 フィリピンがタイフォン・ミサイル配備 日本のミサイル防衛は? 

中国共産党(中共)が強い関心を示しているのが、米国の「タイフォン(Typhon)」中距離ミサイル発射システムのフィリピン配備である。米国は2024年12月、このミサイルシステムをフィリピンに交代制で配備した。

タイフォン・システムは、飛行速度は遅いが射程距離が長いトマホーク巡航ミサイルと、対地・対空・弾道ミサイル迎撃能力を備えた「SM-6」ミサイルを組み合わせたものだ。トマホークは飛行速度は遅いものの、一部の派生型では最大1550マイル(約2500キロ)の射程を誇る。一方、SM-6は高速で、射程200マイル(約320キロ)以上の標的を攻撃できる。ミサイルは大型トラックが牽引する輸送コンテナのようなものに収められている。

中共はこの動きに強く反発している。中共外交部の毛寧報道官は声明で、「フィリピンがアメリカと協力しタイフォンを導入することで、自国の安全保障と防衛を他国に委ねることになり、地域に地政学的な対立と軍拡競争のリスクをもたらしている」と批判した。

▶ 続きを読む
関連記事
中共当局による突然の公演中止にもかかわらず、浜崎あゆみは無観客の上海会場でフルステージを完遂。毅然とした姿勢が中国内外で称賛を集め、政治的圧力を上回る“完勝”を果たした
三年もの間、民の課役をゆるし倹約を貫いた仁徳帝。民の竈の煙に安らぎを見いだしたその御心は、豊かさの本質を問い直す今の日本にも静かに響いている
中国で利益を得られるのは「一時的」。技術を奪われ、市場は最終的に中国企業のものになる。西側企業は今ようやく、この現実に気づき始めた
浜崎あゆみの上海公演が中共の意向で急遽中止。しかし彼女は観客なしで本番同様のライブを完遂し、世界から称賛を集めた。中共は虚偽説明で一時しのぎのごまかしを図るも、浜崎の冷静な対応が評価を高めた
中国共産党軍は日本を恫喝するも、その実態は装備・組織面で脆弱。日中が衝突すれば、中国側の実力不足が露わとなり、宣伝とは逆に軍の限界が明確にされる状況にある​