香港 国家安全維持公署への全面協力を法制化へ 強まる中国統制と広がる懸念
香港政府は5月12日、中国が香港に設置した治安機関「国家安全維持公署」の活動に全面的に協力することを新たに法律に明記する方針を固め、議会にあたる立法会にその法案を提出した。これにより、香港に対する中国本土の統制がさらに強まるとの見方が広がっている。
国家安全維持公署は、2020年に施行された「香港国家安全維持法」(国安法)に基づき設置された中国政府の出先機関で、国家の安全に危害を加える犯罪の取り締まりを担い、香港政府を監督・指導する役割を持つ。特に「外国勢力が介入する複雑な事案」など、重大な案件については、同公署が直接捜査し、容疑者を中国本土に送致して中国の裁判所で起訴することも可能とされている。
今回の法案では、国家安全維持公署が事件を捜査する際の細則が定められ、公務員は同公署から要請があれば必ず協力しなければならないと明記された。また、同公署の捜査を妨害することは罪に問われることになる。この法案は、昨年3月に施行されたスパイ活動などの防止を目的とした国家安全条例に付属条文を追加する形で進められており、条例施行後に政府が条文追加を議会に求めるのは初めてだという。
関連記事
中国共産党系メディアが批判した黄之鋒氏のドキュメンタリーが視聴増加を受け、Netflix香港の映画ランキングで首位に浮上した。配信開始から約9年後、批判からわずか3日で注目を集めた
台湾の桃園市で、台湾人を高収入の仕事で誘い、中国へ移送して臓器を摘出しようとしたとされる越境人身売買事件が摘発された。被害者3人は住宅に監禁され、港から中国へ送られる計画だったが、警察が移送前に阻止した。
香港初代行政長官の董建華が死去、89歳。親中派実業家・霍英東を介して江沢民と接点を持ち、政界へ。親中路線を推進し、香港のその後に大きな影響を及ぼした
台湾で暮らすため、結婚まで利用する。中国人男性の偽装結婚が問題に。背景には、経済不安と自由への憧れがある
中国共産党(中共)は軍上層部の粛清を続ける一方、台湾を包囲する海空軍の活動を拡大し、封鎖演習も行っている。当初7人だった中共中央軍事委員会のメンバーは、習近平と張升民の2人だけになったと報じられている。中国本土の研究者は、中共軍の指揮系統が動揺する中で台湾への軍事的圧力も並行して強まっており、台湾海峡で誤算や衝突が生じるリスクが高まっていると指摘した。