「貸し借り」を演じる現場の実態とは
ノルマのための融資ごっこ 中国銀行業界を覆う異常事態
中国経済の冷え込みが続くなか、各業界に「ノルマ地獄」とも言える過剰な成果主義が蔓延し、中でも銀行業界では、消費者向け融資のノルマ達成をめぐり、行員同士が「貸したふり・借りたふり」をする異常な実態(中国語:互換貸款)が広がった。
SNS上では、こうした「偽装ノルマ」に協力してくれる相手を募る投稿が目立ち始めており、条件として「勤務歴1年以上」「住宅積立金の納付済み」といった要件が記されることもある。ただの助け合いではなく、ノルマ未達なら減給・査定ダウンが待ち受けるという、現場のサバイバル戦だ。
エポックタイムズの独自取材により、その過酷な実態を明らかにした。河南省の農村商業銀行に勤務する行員・李さんは「窓口係の自分にも消費者ローンの勧誘ノルマが課せられていて、達成できないときは、親戚や友人に頭を下げて協力してもらうしかない。銀行は、達成手段など問わず、とにかく“結果”だけを求めてくる」と明かす。さらに李さんは、「週ごとのノルマがあり、1週間で達成できなければ300元(約6000円)が給与から天引きされる」と、そのプレッシャーの厳しさを吐露した。
関連記事
中国経済悪化の中、若者たちは失業や収入減、生活苦に直面している。駅で野宿する人も多く、就職も困難。中国共産党発表とは対照的に、現場の実態はより深刻だと語られる
中共政府の注意喚起後も日本行きフライトは満席が続き、多くの中国人旅行者が通常通り渡航している
中国の第3四半期直接投資は前期比51%減。多国籍企業の撤退が加速し、経済の先行き不透明感が深刻化している。
現役上将の約4割が軍紀委調査対象となり、軍事法廷への移送が進行。忠誠審査と権力集中が軍内部で加速し、制度的粛清へと展開している。
四中全会を前後し、軍の張又侠派と習近平が台湾方針を巡り激しく対立。大規模粛清が続き、両派の対抗が深まり、軍内権力図も変化している。