イメージ画像。(STR/AFP via Getty Images)
「生きたければ払え」──命の瀬戸際で値切れますか?

重症児の緊急搬送に56万円の請求 領収書も出さぬ中国の救急車の実態とは

日本では無料で呼べる救急車だが、しかし隣国・中国では、呼ぶ前にまず財布の中身を確認しなければならない。命を救うはずの救急搬送が、いまや「高額請求ビジネス」と化し、世論を揺るがしている。

道徳の低下と商業主義の蔓延により、医療とビジネスの境界が曖昧になりつつある中国社会。これまでも大紀元は、過剰医療や賄賂医療の問題を報じてきたが、今回注目を集めたのは、重症児の緊急搬送に対して、信じがたい額の料金が請求された事件である。

発端となったのは、江西省に住む唐(とう)さんの告発だった。重い心臓病を患う息子の病状が悪化し、地元の公立病院では対応できないとされ、約800キロ離れた上海の民間病院への転院が必要になった。しかし主治医が手配した救急車のドライバーから提示されたのは2.8万元(約56万円)という耳を疑う金額だった。

▶ 続きを読む
関連記事
北京を取り囲む高速トンネルで爆発。凄惨な映像が拡散する一方、1週間以上が経過しても中国公式メディアは沈黙。なぜ何も報じられないのかという怒りが広がっている。
2025年の中国各地で、江油事件や農民工帰郷警戒、大規模ストや墓掘り返し政策への反発など抗争が頻発。専門家は、絶望感の拡大と習近平への憎悪集中、地方財政の破綻とネット統制強化を背景に、民衆蜂起の条件が急速に熟しつつあると警告する
中国で新設外資企業数は増える一方、実際の投資額は減少し、多国籍企業は拡張を見送り「維持運営」へと舵を切っている。中国市場の優先度を引き下げ、リスクを抑えながら多拠点戦略へ移行する動きが静かに広がっている
中国各地で悪質な事件や大規模火災が頻発。民衆の怒りは一般人から政府や官僚へと向かい、「中共体制の崩壊」を望む声も広がっている
中国経済悪化の中、若者たちは失業や収入減、生活苦に直面している。駅で野宿する人も多く、就職も困難。中国共産党発表とは対照的に、現場の実態はより深刻だと語られる