マリー・アントワネット&ルイ16世(AI生成、Shutterstock)
虚構が作る歴史『ベルサイユのばら』と歪められた日本人の革命イメージ

第5回:虚像が歴史を支配する時 「ベルばら革命」に警鐘を鳴らす

漫画『ベルサイユのばら』の映画版は、昨年(2024年)の秋に公開された。原作の漫画は池田理代子氏によって描かれたものであり、「少女漫画」あるいは「恋愛小説」と呼ばれるジャンルに属している。本記事はこの映画、そして原作漫画について論じる全5回シリーズの最終章第5回目の記事である。

革命史で語られる王族のイメージは、定型的なイメージ――すなわち愚かで軟弱なルイ16世と、軽薄なマリー・アントワネット――というものから抜け出せないでいる。しかし、この点に関する歴史学は大きく進展し、ルイ16世が実際には極めて複雑な状況に直面しながらも、偉大な王として職責を果たそうとしたこと、マリー・アントワネットが公共の利益に心を配っていたことが明らかにされている。

ジャン・ド・ヴィジェリーによるルイ16世の伝記や、エマニュエル・ド・ワレスキエルの『マリー・アントワネットの裁判』(邦訳も存在し、『マリーアントワネットの最後の日々』として知られる)を読めば、この現実を理解できるはずである。

▶ 続きを読む
関連記事
過度な除菌社会に警鐘を鳴らす。免疫システムを「筋肉」のように泥や細菌で鍛えるべきだと説き、自身の体験を交えながら、無菌化しすぎた現代社会に真の健康の在り方を問いかける
貿易は我々を豊かにするが、他国に依存しすぎると逆効果を招く可能性がある
現代のドローン脅威に対し、高額なミサイルで応戦する「コストの非対称性」を指摘。解決策として、安価な新型無人機や、イタリアの技術による低コストで高性能な「ハイテク火砲」の再評価と導入を提言する解説記事
第16回「気候変動に関する国際会議」を詳報。権威あるIPCCの欺瞞を暴く専門家の分析や、若者の「脱・洗脳」を促す活動を紹介する。主要メディアの動揺をよそに、気候リアリズムが勝利を収める転換点を描く
クレジットカードの金利上限規制が、実は低所得層からセーフティネットを奪うという皮肉な現実を解説。自由市場への介入が招く「信用の消失」と、1億人規模に及ぶ経済的悪影響を経済学者が警告する