制裁よりも国際決済網「SWIFT」がウクライナ戦争の終局を左右する理由
先日、フランスのマクロン大統領、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長、イギリスのスターマー首相、ドイツのメルツ首相ら欧州の指導者が大統領執務室に集結した。その写真は瞬く間に広まり、トランプ大統領は「レゾリュート・デスク(歴代大統領が使用してきた象徴的な執務机)」の背後に座し、大西洋を越えて訪れた面々に囲まれていた。構図や演出、そしてその姿勢から浮かび上がるのは、見慣れた物語――ワシントンが主導し、欧州が従うという構図だった。
しかし、真の影響力の均衡は写真には映らない。それは、より静かな仕組みの中に潜み、水面下のシステムが交渉を形づくっている。その目に見えない権力構造の中核にあるのが、ベルギーに本部を置く、ほとんど知られていない(金融業界や国際経済に関わる人を除いて)機関であるSWIFT(国際銀行間通信協会)だ。
ウクライナ戦争において、SWIFTは決定的な梃子となった。かつては単なる送金メッセージの基盤と見なされていたが、いまやスクリーニング、凍結、排除を可能にする戦略的な道具へと変貌している。そしてこの戦争で、SWIFTからの排除がもたらした経済的打撃は、戦場での局地的な敗北・後退をも上回るほど深刻だった。
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