楊雅娟さんの近影(本人提供)

卵巣がん転移を乗り越え10年超健康維持 その秘訣とは

台湾の女性・楊雅娟さんは、卵巣がんのため手術を受けました。1年が経った頃、突然がん細胞が転移し始めました。死の恐怖に直面しながらも、彼女は10年以上も元気に生活し、仕事でも成功を収めました。その背景には、偶然出会った「奇跡の治療法」があり、その効果は専門の医師からも認められ、お墨付きを得ました。

突然の悪夢

2007年、当時36歳だった楊さんは、結婚してわずか半年。妊娠準備のために健康診断を受けたところ、片側の卵巣にがんが見つかりました。すぐに卵巣を摘出する手術を受けましたが、1年後にがんが再発し、転移を起こしました。検査結果を知らされた際には、診察室で30分間も泣き続けたといいます。

2009年、彼女は再び大手術を受けました。3人の医師が交代で手術を担当し、もう一方の卵巣、子宮、卵管、さらには腸の一部に至るまで、がん細胞が転移した組織をすべて切除しました。

幸運な出会い

手術後の入院中、彼女は1人のお手伝いさんを雇い、身の回りの世話を任せました。腹水や傷口の痛みで眠れない日々を耐える中で、そのお手伝いさんは「健康に必ず役立つ」として、彼女に「法輪功」を勧めました。

法輪功は、座禅や柔らかい動作(ヨガや太極拳のような動き)を含む修煉法で、「真・善・忍」を核心理念とし、修煉者の道徳心や品行の向上を重視しています。

最初は、その健康効果を信じられなかった楊さんでしたが、お手伝いさんから渡された、法輪功の創始者による講義の録音を試しに聞いてみました。すると、「20分ほど聞いただけで体が楽になり、少し眠れるようになりました」と、体の変化を実感したそうです。

2010年、彼女は初めて抗がん剤治療を受けたことで体が非常に弱り、体重も約10キロ減少しました。

退院後、彼女は法輪功の「9日間学習コース」に参加し、約3週間にわたり修煉を続けました。その後、2回目の化学療法の前に病院で検査を受けたところ、担当の看護師が「顔色も良く、とても元気で、まるで別人のようですね!」と驚いたそうです。

6回目の抗がん剤治療を終えた際には、担当の栄養士が、体重が減っているにもかかわらず筋肉量がまったく減っていない彼女の体に驚き、思わず「一体何をしていたのですか?」と尋ねたといいます。楊さんが「法輪功の修煉をしていました」と伝えると、「本当に効果があるんですね。法輪功はあなたにぴったりです」と頷いたそうです。

さらに、通常は化学療法によって白血球が減少し、感染症のリスクが高まるのですが、楊さんの場合は治療中でも白血球の数値が高いレベルを保っていました。

化学療法の中止を決意

医師は、彼女の体が化学療法を受けてもすぐに回復できると見て、「予防目的であと6回、化学療法を行いましょう」と提案しました。

しかし、楊さんは法輪功の修煉が非常に効果的だと感じており、化学療法が体に大きな負担をかけることから、継続をやめる決断をし、その旨を医師に伝えました。

反対されると思っていたところ、婦人科がんの名医である先生は、「それなら、修煉をしっかり続けましょう」と優しく答えてくれました。

医師は次のように語りました。「私の父は重度の糖尿病で、私は専門が違いますが、兄弟4人全員が医師です。それでも、父の病気を治すことはできませんでした。ところが、父が法輪功を始めてから、見る見るうちに血糖値が安定しました。科学を学んだ私たちには、とても理解しがたいことでした」

がんになる前より健康に

それ以来、楊さんは法輪功の修煉に励み、屋外での集団煉功にも参加するようになりました。

間もなくして、彼女は「屋外で煉功をすると、背中に脂肪腫の手術痕があるあたりで、何かが回っているような非常に強いエネルギーの流れを感じました」と語り、その感覚は半年間続いたそうです。

さらに、「煉功をするたびに、寒くても汗をかきます。その汗のにおいは、化学療法の薬や点滴、消毒用アルコールのようなにおいで、それが約1年も続きました」と述べました。

「化学療法が終わってから1か月ちょっとで、手術前の状態まで体が回復しました。今ではがんになる前よりも健康です。以前は季節の変わり目ごとに風邪をひき、咳で眠れず、よく病院で注射や薬をもらっていました。胃痛も頻繁でしたが、今はどれも再発していません」と彼女は不思議そうに話しています。

2024年8月、台北の栄民総医院が発行した健康証明書には、楊さんの体調が「異常なし」と記載されていました。

2024年8月20日付、台北栄民総医院発行の健康証明書には、楊雅娟さんが無症状であることが示されています(本人提供)

心の変化も実感

法輪功の修煉は、彼女の心の在り方にも変化をもたらしました。「病気になったことを恨んだりせず、自然に受け入れられるようになりました。『轉法輪』を読んで、人の立場に立って物事を考え、人のために良いことをして生きるべきだと気づきました」

家族や友人たちは、怒りっぽくてせっかちだった彼女の性格が変わったことに驚いています。運転の仕方まで変わったといいます。

「昔は、前の車が遅いと窓を開けて怒鳴ったり、クラクションを鳴らしたりしていました。でも今は違います。走行中に追い越されても、まったく気にならなくなったと同僚にも言われました」と、彼女は変化を語りました。

2014年、化学療法を終えてから3年後、彼女は職場復帰しました。以前は上場企業の経理部門で管理職を務めていましたが、がんをきっかけに保険業界へ転職。台湾の大手3社の一つ「南山人寿」で営業職として働き始めました。その後の10年間で、世界中の生命保険および金融サービスの専門家7万2,000人以上が所属する独立組織「MDRT」から、なんと7回も表彰されました。

2023年に楊さんが受賞したMDRT表彰状(本人提供)

成功の秘訣を尋ねられた彼女は、「お金を稼ぐことより、まずお客様の立場で考えることを大切にしています。手数料が少なくても、本当に良い商品を紹介することです」と語りました。

仕事がうまくいかないときでも、気持ちを切り替えるようにしているそうです。「良い成績や高いランキングを求めすぎると、かえって結果が出ません。肩の力を抜いて、やるべきことをやっていれば、突然お客様から連絡が来たりするんですよ」

「これは、法輪功の『真・善・忍』の教えのおかげです」と彼女は話しています。

研究報告:法輪功は末期がんの症状改善や延命効果も

近年、「統合がん治療」は医学界で注目されています。アメリカがん協会の医学誌『Cancer』が2021年に掲載した研究によると、がん患者が手術の前後に座禅や瞑想などの精神療法を取り入れることで、痛み・不安・ストレスを和らげ、生活の質を高め、さらには医療コストの軽減にもつながると報告されています。

2016年の米国臨床腫瘍学会の年次総会で発表された研究では、法輪功の修煉が末期がん患者の症状改善および延命につながるとされています。中国で末期がん患者であり、かつ法輪功修煉者である152人を対象にしたこの研究では、発表時点で149人が生存しており、状態も良好でした。平均余命が5.1か月とされていたのに対し、実際の生存期間は56か月に延びていました。生活の質も大幅に向上していたといいます。

また、2020年に発表された台湾の法輪功修煉者1000人以上を対象にしたアンケート調査では、心臓病、糖尿病、肺疾患、高血圧などの慢性疾患を持つ人の70~89%が、修煉後に改善または回復したと回答しています。

(翻訳編集 正道勇)

関連記事
大腸がんは「いつ治癒といえるのか」。3万5,000人超のデータから、手術後6年で再発率が0.5%未満になる重要な節目が判明。長年の不安に明確な指標を与える最新研究の意義を分かりやすく紹介します。
更年期以降、腸内細菌叢の変化が炎症やホルモン代謝に影響し、乳がんなど一部のがんリスクに関係する可能性があります。腸の乱れとがんの関連、改善策を解説します。
ごく小さな「げっぷ」や胸の違和感――それが命に関わるサインかもしれません。見逃されがちな消化器がんの初期症状、早期発見の重要性、最新治療まで、知らないと危ないポイントを丁寧に解説します。
免疫療法は自分の免疫系を直接働かせ、がんと闘う力を引き出す治療法です。腸内環境、食事、運動、ストレス管理などの生活習慣が、免疫反応や治療効果に影響することが明らかになっています。
肝がんは急に発症するのではなく、肝臓への負担が長年蓄積し、線維化・肝硬変を経てがん化へ進行します。この過程には介入の時間があり、飲酒習慣や脂肪の代謝改善、ウイルス感染の管理で発症リスクを大きく下げることができます。