(Shutterstock)

食べても疲れが取れない体の正体 中医学で見るインスリンと脾の関係

現代医学では、インスリンは膵臓から分泌され、血糖値を下げるとともに、ブドウ糖を細胞内へ取り込み、エネルギーとして利用できるようにする重要なホルモンだと考えられています。インスリンの分泌が不足したり、働きが悪くなったりすると、糖尿病をはじめとするさまざまな代謝異常を引き起こす可能性があります。

一方、中医学の理論において、膵臓の働きに最も近い役割を担うとされるのが「脾」です。ただし、ここでいう脾とは、解剖学的な臓器としての脾臓を指すものではなく、消化・吸収、気血の生成、そして体がエネルギーをどのように使うかといった、一連の機能全体を意味しています。この視点から見ると、インスリンは「血糖とエネルギーを管理する仕組み」に相当し、「脾気」とは、食べ物を体が使えるエネルギーへと変換する総合的な力だと捉えることができます。

このような考え方に基づくと、インスリン分泌の異常やインスリン抵抗性は、中医学では「脾気が弱り、運化(消化・変換・運搬)の働きが乱れている状態」として理解されます。これはあくまで中医学的な解釈や比喩であり、現代医学の診断に取って代わるものではなく、現代の代謝の問題を伝統的な言葉で理解するための考え方です。

 

▶ 続きを読む
関連記事
ほうれん草と豆腐を一緒に食べると結石になる? 実は逆に、シュウ酸対策として理にかなう食べ方かもしれません。
春が旬のアスパラガス。実はおいしいだけでなく、腸や骨、細胞の修復まで支える栄養の宝庫です。健康効果を最大限に引き出す食べ方や、意外と知らない活用法も紹介します。
健康のために食べているナッツ、実は種類によって得意分野が違います。脳、心臓、睡眠、血糖値まで──栄養専門家が選んだ「本当に健康的な5種類」と、それぞれの驚きの効能を紹介します。
苦い食べ物は苦手ですか? 実は消化や肝臓の働きを支える一方、控えたほうがよい人もいます。
黒ごまは心臓や骨、腸の健康を支える栄養が詰まった食材です。古くから長寿の滋養食として親しまれてきた黒ごまの力を紹介します。